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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 奇行種と新兵たちの初陣





「……了解した。」



状況は理解できたがこの後はどうするか。

きっとこの様子だと陣形には色んな箇所で損害がでていると思っていいだろう。

実際にアンドレの班とリヴァイの班はそこまで近い配置ではなかった。

それなのにこんな所でぶつかってしまったのだ。



「兵長、伝令がまわってくるでしょうか?」



オルオがあたりを見渡しながら聞くが、この状況ではそれも厳しそうだ。



「さぁな……この様子じゃ伝令を預かったやつも生きてる可能性は低い。」



少し考え込んでいるリヴァイを黙って見つめたいたアンドレだったが、今の状況をより深く理解するために、先程は怖くて聞けなかった質問を思いきってしてみることにした。



「へ、兵長……こんな時にすみません。あの…こんなに信煙弾が上がることって……こんなに巨人が出現することって……今回の壁外調査は普通ではないのでしょうか?」



「あ?!」



おかしな質問をしてくれるなと、リヴァイは思わずため息をつきながら答える。



「アンドレ、よく覚えておけ。壁外調査に普通なんてものはない。毎回が想定外で、毎回戦況は劣勢だ。まぁ、あえて言うならば今回は初っ端から巨人の出現が多くてこの有様。ただそれだけだ。」



「そ、そうな…んです…ね…」



ショックを受けたアンドレはそれ以上言葉が出てこなかった。





ここに留まっていても意味がない。

リヴァイは早く判断をしなければと思ったとき、前方の上空めがけて黄色の信煙弾が高々と上がった。




「あれは?!」



ペトラが指をさすと全員で空を見上げた。

黄色の信煙弾は「作戦遂行不可能」だ。



やはり、全体的に損害が大きかったのだろう。


リヴァイは荷物から地図を取り出すと、現在の旧市街地の位置と信煙弾が上がった方角を確認した。



「信煙弾が上がった先には中規模の森がある。おそらくはそこで一旦負傷者の確認と作戦の練り直しだろう。お前ら馬に乗れ。急ぐぞ。」



「「「「「はい!」」」」」



6人は、馬に乗ると全速力で駆けていった。





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