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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 奇行種と新兵たちの初陣








「…………あぁ…」




赤い血溜まり……

レンは失血のため顔は蒼白になり、目をあけたまま己が作った血溜まりに浸かっている。


太陽に向かって降り注いだ血しぶき……

エミリーの口から噴き出した血のしぶきはキラキラと太陽の光に反射して、スローモーションの様にゆっくりと降ってきた。



体内の骨が砕かれていく音……


アリダーが目の前で握り潰される瞬間、今まで聞いたことも無い鈍くておぞましい音が耳に入り、ゾワリと神経を逆なでした。






不気味にも少し楽しそうな表情で人間を握り潰し、噛み千切り、食らっていく巨人。



何がそんなに楽しくて人間を食うのか……


もうアンドレはうまく思考が働かなかった。






班長のアリダーは血を吐きながら最後に絞り出すように「逃げろ」と言った。




「………うっ…」





決して死にたいわけではない。

しかし、日々の訓練で鍛えていたベテランの上官ですら、一瞬で巨人の腹の中に入ってしまったのだ。
そんな姿を目の当たりにしたら、もう逃げる気力が湧いてこなかった。




アンドレはメグの足を抱えながら尻を地面につき、ニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべる巨人を見上げる。




あれだけ家族の反対を押し切って調査兵団に入団したのに。

守りたい家族がいたはずなのに。

厳しい訓練で実力をつけてきたというのに。





なんてザマだ………

言いようのない悔しさがこみ上げる。





「母さん……みんな……」



アンドレは家族に別れの言葉を呟くと、目を閉じた。


最後の瞬間まで巨人の顔など拝みたくはない。


真っ暗になった瞼の裏側に現れたのは、長い蜂蜜色の髪の毛をなびかせながら立体機動で可憐に飛び回るクレアの姿だった。





────────────────





時同じくしてリヴァイ班。


リヴァイ班もハンジ達と同様、信煙弾の多さにピリピリと緊張した空気の中馬を走らせていた。



「リヴァイ兵長…!!巨人です!……あれ?!」



とうとう現れたかと、ペトラの指さした方向に目をやるが、それはリヴァイが想像していた状況とは違っていた。







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