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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第36章 奇行種と新兵たちの初陣






「あ、仕事があるのに引き止めてすみません…!!俺はこれで……」



「あ、アンドレ?!」



壁外調査当日の朝だ。

きっと…きっと、僅かな時間でも惜しいはずだ。





アンドレはそんな2人がこれからするであろう事を勝手にあれこれと想像してしまうと、途端に恥ずかしくなってしまい、かぶりを振るとその場から一目散に走り去ってしまった。



「アンドレ……」



アンドレの考えていた事など、露知らず、しばらくその背中を見つめていたが自分も行かなくてはならぬ場所がある。



クレアも立ち話で時間を使ってしまった分を取り戻すかのように、音が立たぬよう静かに走ってリヴァイの執務室に向かった。










いつもの時間より少し遅くなってしまった。

リヴァイは先に来てしまっただろうか…

カギを出さずにそっとドアノブに手をかけると、その扉は引っかかる事なくすんなり開く。


やはり、リヴァイが先に来ていた様だ。






「お、おはようございます、兵長……」



クレアの姿を見ると、リヴァイは肩肘で頬杖をつき返事をするが、なんだか少し機嫌が悪そうだ。




「クレア…遅かったじゃねぇか…」




「す、すみません!!すぐに紅茶を淹れてお手伝いしますので!」




自分を頼りにしてくる新兵にヤキモチを妬いていたリヴァイの事だ。

アンドレと立ち話をしていたなんて言ったらさらに機嫌を悪くするに違いない。



クレアは余計な事は言わぬようにとバタバタとティーセットを出すと、ヤカンに水を入れて湯を沸かし始めた。



ボコボコと湯が沸騰し、ポットに注がれると早朝の執務室はフワッと心地の良い紅茶の香りが立ち込める。




今朝も2人並んで紅茶を飲みながら仕事をするが、壁外調査の当日はそこまで多くはない。



ササッと終了してしまった仕事に少し手持ち無沙汰を感じたクレアは、軽く掃除でもしようかと思ったが、それはリヴァイによって阻止されてしまった。





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