第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
「クレア〜〜、ごめんよぉ…そんな顔をさせたかった訳じゃないんだ!」
ハンジは苦笑いをしながらクレアの側によると、優しく抱きしめた。
「ハンジさん…ごめんなさい……困らせてしまって…ちゃんとお話は理解できてますので…今日は上がって休みます。」
少し鼻をグズつかせながら、クレアも苦笑いをする。
「調査兵団の訓練は下手すると死亡する事もあるんだ。無理をさせてクレアに何かあったらと思うと気が気じゃない!しばらくは自分の身体を休める事も訓練のうちだと思って欲しい。」
「承知しました。」
「わかってくれてありがとう。もう!かわいーなー。」
ハンジは抱きしめたままクレアの身体を左右にブンブン振り回す。
「分隊長!クレアが壊れそうなのでやめてください!」
すかさずモブリットのツッコミが入った。
ハンジの執務室をでてからは、まっすぐ大浴場に向かった。風呂支度を済ませてからきていたため、このまま直行だ。
訓練兵団では、消灯後は寝ることしか許されなかった。
だが、調査兵団ではそこの規則が少し緩くなっている。ひとまず9時には消灯となるが、執務をしている幹部も多い。浴室の清掃は、食堂の職員が日中に交代で行っているため、大浴場は朝方まで使用する事ができた。
消灯後も食堂の隅や、休憩室の様な部屋で酒を飲んでる兵士もちらほらいた。
翌日の訓練に支障がでなければ、割と自由のようだ。
クレアはゆっくり湯につかり、1日の疲れをとると、少し眠気がでてきた。
ベッドに入ればぐっすり眠れそうだ。
髪を拭き、櫛を通してから香油をなじませる。
しかし、脱衣所をでて、女子棟に向かおうとした瞬間、予想しなかった人物に、ばったりとでくわした。
「!?……なんだよ奇行種、エロ薬は作り終わったのか…?」
あろうことか、リヴァイだった。
「リ、リヴァイ兵長?!なぜここに?」
「あぁ?!今やっとクソみてぇに溜まった執務が終わったところだ。風呂に入って悪いのかよ。」
「………」
幹部の人達は皆それぞれ忙しいのだ。
風呂が遅くなるのも不思議ではない。
「べ、別に、悪いとは言っていません!というか、その呼び方やめてくださいませんか?」
ちょっと怖かったが思い切って言ってみた。