第35章 そしてリヴァイは考えた
「ハハハ。で、どうよ?!感想を一言で表すと?!」
ニヤニヤとしながらその返事を待っていると、リヴァイは振り向き、珍しくもハンジの求めていた解答が返ってきた。
「あぁ、最高に滾ったな。」
「でしょー!でしょでしょ!?よっしゃあー!作ったかいがあったってもんよ。」
ハンジは派手にガッツポーズをして歓喜の雄叫びを上げた。
その姿に一瞬ニヤリと悪い笑みをこぼすと、リヴァイはクレアの眠る自室へと戻っていった。
──パタン──
自室に戻ると、ベッドの中では先程まで飢えた獣の様に乱れていた小さな恋人が、寝息を立てて眠っている。
そっと近づきリヴァイもベッドに入って横になれば、クレアはスリスリと胸元に擦り寄りよってきて、温もりを求めてひっついてきた。
それはまるで、母親が恋しくなった子猫の様だ。
「ハッ、さっきのお前とはえらい違いだな。」
胸元に擦り寄っているクレアの髪を撫でてやると、その感触が気持ちいいのか、うっすらと唇は弧を描き穏やかな表情に変わる。
そんな純粋な姿を見せられては媚薬を盛ったことに多少の罪悪感を覚えてしまいそうになるリヴァイであったが、これは新兵に構いすぎたクレアへのほんのお返しだ。
そう開き直ると、リヴァイは布団をかけ直してクレアを抱き締めると自身も眠りについた。
まもなく壁外調査。
お互い無事に戻ることを願うのみだ。