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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第35章 そしてリヴァイは考えた




長い長い廊下を歩きリヴァイの自室の前までたどり着くと、一度深呼吸をしてからノックをした。

この所のリヴァイは不機嫌気味で、いざ面と向かって顔を合わせることになると、クレアは嬉しい気持ちと反面に少し緊張もしてしまった。







ノックをし、名前を名乗ると、すぐに中から返事が聞こえてきた。寝ていたわけではなさそうで、ひとまず安心をする。



「あの…兵長…こちらの資料、ハンジさんが急ぎのものだと仰ってました。」



「そうか…分かった。すぐに目を通すから紅茶でも淹れてくれないか?」



「え?」



予想外の申し出で少し戸惑ったが、最近の苛立った様子は見られなかった為、クレアはホッと安堵する。



「急ぎなんだろ?すぐに目を通す。ついでだからお前の分も淹れろよ。1杯くらい付き合ってくれ。」



「は、はい!」


そんなことを言われては断る理由もない。

クレアは素直に胸を踊らせながらヤカンに火をつけ始めた。



もちろんリヴァイがポケットに忍ばせているモノの正体に気づくわけもなく。






 




「お待たせしました。」





2人分の紅茶を並べてクレアも腰掛けると、紅茶を飲もうとティーカップに手を伸ばしたがその手をリヴァイによって掴まれてしまった。



「クレア…あれだけ忠告をしていたのに新兵にベッタリだったな。」



「え?あ、あの…」



そのまま腕を引き、かるく口付けをすると、その隙にリヴァイはポケットに忍ばせておいたモノを起用に片手で開け、クレアの紅茶にポタリと入れた。




「なかなか執務室に訪ねてこないから待ちぼうけでいたぞ。」



「すみません……真剣に悩んでいる新兵達を蔑ろにすることもできずに…」



ボソボソと声を小さくしながら呟き、クレアはティーカップを手に取り紅茶をすすると、ごくんと飲み込んだ。





その瞬間をしかと見届けたリヴァイは、これからの展開に期待をし、思わず悪い笑みがこぼれてしまった。





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