第35章 そしてリヴァイは考えた
あれだけ新兵に構い過ぎるなと言っておいたのにも関わらず、クレアは声をかけてくる新兵一人一人の話を丁寧に聞き、励ましているようだ。
調査兵にはベテランの兵士だけではなく、その意志を継ぐ優秀な若い兵士も必要だ。
その為クレアのしている事の意味は十分に分かってはいるが、なかなかゆっくり触れ合う時間はおろか、話をする時間もないのだ。
こんなんでは先月クレアの誕生日で一泊2日の小旅行をした一時がものすごく過去の事の様に感じてしまう。
リヴァイのため息は深くなるばかりだ。
「はぁ……」
溜まりに溜まっていた仕事をあらかた片付けると、時刻は間もなく日付が変わろうとしていた。
書類仕事で少し凝り固まった肩をグルリとまわすと、リヴァイは自室へと戻っていった。
ジャケットを脱いでハンガーにかける。
着ていた服をぬいで次々に洗濯カゴに放り込むと、そのままシャワー室に直行し、熱いシャワーを頭からかぶった。
足りない……
足りない……
クレアが足りない……
今頃はハンジとの仕事が終わって自室に戻った頃だろうか。
できる事ならクレアの自室まで行って引っ張りだしてきて、滅茶苦茶に抱いてしまいたい。
でもクレアが新兵の為にしている事も十分理解しているリヴァイはそんなことできるはずもなかった。
行き場を失った想いだけが積もりに積もり、リヴァイの身体の一部は質量を増し、みるみると天井に向けて隆起してしまう。
「……チッ……」
こちらもリヴァイと同様クレアを求めて興奮しだしてしまった。
少し苛立ちながら自分のモノを握ると、シャワーをかぶったまま上下にしごき、リヴァイは目を瞑る。
目を瞑れば鮮明に思い出すことができるクレアとの情事。
リヴァイはクレアが甲斐甲斐しく手淫をしてくれた時の事を思い出しながら激しく上下に手を動かした。