第7章 調査兵団とハンジ班と時々リヴァイ
クレアは夕食を終えると、急いで部屋に戻った。
風呂支度を済ませ、フレイアに遅くなる事を伝えると、部屋を後にした。
クレアが向かったのは風呂ではなくハンジの執務室だ。
幹部棟エリアに入ると、分隊長クラス以上の執務室が並んでいる。リヴァイの執務室もこのエリアにあるが、ハンジの執務室はこのエリアにはない。
この先をつきあたると、T字路になっていて、今度は幹部達の自室エリアになる。
右に曲がり、廊下をつきあたりまでいくと、扉がある。あけると古びた渡り廊下が現れた。
そこを渡り隣の古い建物に入ると、ようやくハンジの執務室に到着する。
以前はハンジもリヴァイ達と同じ幹部エリアの執務室を使っていたが、実験や研究には手狭で、なおかつ夜な夜な騒がしいとの事で、現在は使われてない旧舎の広間を使っていた。
やっとたどり着き、ノックをするとハンジの元気な声がする。
「クレアだね?入って〜〜。」
「失礼します。」
ハンジとモブリットはこれから始めるであろう作業の準備をしていた。
ハンジは巨人の実験で有名だが、実はそれだけではない。
技巧班の会議にでて、技術開発にアイデアをだしたり、怪しい薬を作り闇ルートで売ったりしている。
この薬が闇ルートでは人気の商品で、売上は調査兵団の運営資金にあてられている。
その金額はかなりの額だ。
「クレア、夜はね、怪しい薬を作ってるんだよ!」
「え?何ですかそれ!」
「ハンジ特製の激アツ媚薬だよ!催淫剤って言えばわかるかな?」
「え?えーーー?!ハンジさん、そんな物作ってるんですか?」
「これがねぇ、闇ルートでよく売れるんだよ!材料はいたって手に入りやすい物ばかりなんだけどね、抽出方法が特殊でさ。手間がかかるから大量生産できなくて…今まではこうやってモブリットと夜な夜な作ってたんだ。月に一度、闇売人が大金を持って商品引き取りにくるから間に合わせるのが大変なんだよ〜。でも、その売上金、調査兵団の厳しい運営資金の一部だからね!辞められないんだよね!」
クレアは驚いた。
調査兵としての訓練に、巨人の実験、技巧班にも顔をだし、夜はこうして調査兵団の運営のために製造や研究に実験をしている。
この人は一体いつ眠ってるんだ。