第34章 その数、無制限
クレアはシャワーを終え、先にベッドに入り横になると静かにリヴァイが出てくるのを待った。
……初めて兵舎の外で過ごした2人きりの穏やかな休日。とてもあっという間で幸せな時間だった。
それは、自分が兵士だということを忘れてしまいそうになる程に。
そしてリヴァイが自分の為にしてくれた事全てが嬉しかった。
こんな贅沢でなくていい。
また、2人きりの穏やかな時間を過ごしたい。
そんな事を考えていたら自然と瞼が重くなってきてしまった…
──「なんだよ…寝ちまったのかよ…」──
なんだか遠くで兵長の声がしたように感じる。
──ギシッ──
ベッドの軋む音…兵長が入ってきたのだろうか……ギシギシと少し揺れている。
──ギュッ──
私を抱きしめてくれてるのだろうか…温かい温もりを全身に感じる……
………あれ……あれ?!
「!!!」
──ガバッ──
「へ、兵長…!?いったい何を…」
「なんだよ、起きたのか。」
半分眠りの世界でまどろんでいたクレアだったが、服の中にリヴァイの手が侵入してくると、さすがに目が覚めたのか、思い切り身体を起こしてしまった。
よく見れば胸元のボタンは外され下着が丸見えだ。
「明日訓練だから早く風呂に入れと仰ったのは兵長ではないですか…」
クレアは慌てて部屋着のボタンを閉じようと両手を胸元に持っていくが、リヴァイによって阻止されてしまう。
「あれは、“明日から訓練だから早く風呂に入らないとヤル時間がなくなるだろ”という意味だ。」
「そ、そんなぁ……」
クレアはリヴァイの言葉に思わず口をポカンと開けてしまった。
昨夜は日が昇るまで激しく求められていたクレアはだいぶ腰回りが気怠くなっている。
それに長時間馬体の大きいダスゲニーに乗って帰ってきたのだ。
早めに休まなければ明日の訓練に支障が出てしまいそうなのにリヴァイは何を言ってるのだ?