第34章 その数、無制限
だが、リヴァイは構わずクレアの両手首を掴んだままベッドに沈めると、熱のこもった視線で見つめてきた。
「激しくはしない、優しくする。どうしても眠る前にもう一度お前の中に入りたかったんだ。次はいつゆっくり時間を作れるか分からないからな…」
そんな事を言われてしまえば断れるはずもない。
実際に次はいつ今日の様な時間がとれるのか分からないのだ。クレアとて名残惜しく思っていたのは事実だっだ。
「兵長…そんな視線でそんな言い方…ずるいですよ…」
クレアは両手首を掴まれてるため、赤くなった顔を隠すこともできず力なく答えた。
「それは、肯定と解釈でいいんだな。」
「や、優しくして下さいね……」
「あぁ、わかってる。」
すると、クレアの全身を刺激したのはフワリと降り注ぐ心地の良い愛撫。
指先で、舌で、優しく溶きほぐされる様な柔らかい愛撫にクレアはすぐに酔いしれ、自然とリヴァイを求めてしまった。
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リヴァイは宣言通り、終始優しく抱き、クレアを絶頂まで導いてやった。
長旅での疲れも出たのか、半分意識を手放してしまっているクレアを後ろから抱きしめると、リヴァイは眠ってしまう前にと声をかけた。
「おい、まだ起きてるか?」
「は、はい……」
「色々あって言い忘れていた……」
「…??」
「誕生日、おめでとう…クレア…」
「…兵長…」
少し照れくさくなったのか、リヴァイはそ
のまま顔を埋めるようにクレアをきつく抱きしめた。
あぁ…私は幸せだ。
なんて幸せなのだ…
昨日と今日でいったい何回そう思っただろう。
そんな幸せな気持ちのままリヴァイに抱かれて眠れる自分はなんて幸せ者なのだ。
「ありがとうございます……嬉しいです…」
クレアはポロリと一筋の涙を流すとそのまま意識を手放してしまった。
調査兵であってもその命尽きるまでは幸せだと感じる瞬間をリヴァイと共に共有し続けたい。
そんな想いを強く胸に刻みこみながらクレアは夢の中へと旅立っていった。