第34章 その数、無制限
出て行こうとする2人に構うことなく、ハンジは容器に苺を並べながら喋り続ける。
「そうそう!!リヴァイ、私達の贈ったプレゼントは喜んで貰えたのかな?」
その“私達、”“プレゼント”という言葉にピクリと反応すると、リヴァイはクレアの手を握ったまま顔だけハンジに向けた。
「あれはモブリットも絡んでたのか??」
リヴァイはハンジを盲信しているモブリットに関しては割と寛容だ。
だがあの下着といい、謎のエロい物体といい、際どい贈り物だったため、どこまでモブリットが絡んでいたのか正直気になるところだった。
場合によっては一言釘を刺さなければならない。
しかし、モブリットにチラリと目を向ければ両手をブンブンと振り“私は無罪です”と青い顔で主張している。
おそらくモブリットに関しては付き合わされていただけだったのだろう。
そんなモブリットの様子を面白そうにニヤニヤと笑いながら、ハンジはホワイトリカーをトクトクと注いでいた。
「プレゼントか……まぁ、お前にしては悪くないモン寄越したな。」
「ほんとにー?!あれ、実は商品化しようと思ってコッソリ研究してたモノなんだよね!その様子だとバッチリ喜んでもらえた様だね!!」
「あぁ…ヒーヒー泣き叫ぶ程、“悦んで”たぞ。きっと売れるんじゃねぇのか?」
「へ、兵長!!」
今度青い顔になったのはクレアの方だった。繋いでた手を振りほどくと腕を掴み思い切り左右に振ったが、クレアの力ではそこまで大きくリヴァイは揺れなかった。
「なんだよ。お前からも礼を言うんじゃなかったのか?あんなにシーツ……」
「ギャーーーーーーー!!やめてください兵長!」
「え?なになに?クレア教えてよ。開発者として使用具合は気になるじゃん!!」
「ハ、ハンジさん!な、何も特記事項はございません!!今夜はこれにて失礼致します!」
するとクレアはクルリと回れ右をし扉を開けると逃げるように執務室から出て行ってしまった。