第34章 その数、無制限
──ドンッ──
「キャッ!!兵長……?!」
引きずり込まれた拍子にバスタオルを落としてしまったクレアは、再び裸の姿をリヴァイに晒してしまう。
「あ…あの……」
滑らかな白い肌に、昨夜の情事を思い出させる赤い所有印。明るく照らされた日光の元で恥じらう姿にリヴァイはもう一度だけクレアの中に入りたくなってしまったが、現実とは残酷なもので、そろそろ帰る時間が迫っていた。
「襲われたくなかったら、俺が出るまでにちゃんと着替えておけよ。」
そう言うと、深いキスを一度だけ交わしてリヴァイは浴室に入っていった。
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昼食を宿屋で食べ終え、兵舎まで帰る為に荷物をまとめていると、オーナー夫妻が部屋まで訪ねてきてある物を手渡した。
「この度は、何もない田舎の村にお泊り頂き誠にありがとうございました!お荷物になってしまうかと思ったのですが、今朝摘んだばかりでございます。宜しければお土産にお持ち帰り下さい。」
オーナーがリヴァイに手渡したもの。
それはカゴいっぱいの苺であった。
「す、すごい!!」
リヴァイが持ち帰るということで、わざわざ品質の良いものだけを選んでカゴに詰めたのだろう。色は艷やかで形も皆揃っている。それはまるで芸術作品の様な苺達であった。
クレアはそれを見てだけで昼食後だというのにまた空腹感を覚えてしまい、ゴクリとツバを飲み込んでしまった。
「あぁ、気を遣わせてすまなかった。コイツがここの苺をとても気に入ったようだから、また来よう。」
この言葉を聞き、深々と頭を下げると、オーナー夫妻は部屋を出ていった。
「おい、まだ食うんじゃねぇぞ。」
昨日散々食ったくせに…いったいどんだけ食べれば気が済むんだよ…
隣で突き刺さるような視線を感じたリヴァイはため息を付きながら警告をした。