第34章 その数、無制限
2人は時間がたつのも忘れ、貪るように愛し合う。
部屋はもう真っ暗になってしまったが、バルコニーに繋がる大きな窓からは、満月の月明かりが差し込みベッドを照らしていた。
天蓋付きのベッドの中は薄いベールから柔らかな月明かりが差し込み、とても美しく神秘的だ。
こんな世界でいつまででもこうしていたいと2人は思ったことだろう。
しかし、明日には戻らなくてはならないのだ。
そうなれば1分だって、1秒だって惜しい。
2人は激しく身体を重ねること以外考えることはできなかった。
「あ…あ……へい…ちょう……リヴァ…イ兵長…」
「…あぁ、イキたきゃイケよ。でも気絶するんじゃないぞ。」
ギシギシと軋むベッドの上でクレアが何度目かの絶頂を迎えようとしていたが、リヴァイはクレアが気を失わないように耳朶を甘噛みしながら囁く。
クレアが嬌声を上げれば上げるほど、打ち寄せる快感に涙を流せば流すほど、自分の名前を呼ばれれば呼ばれる程にリヴァイは欲望を駆り立てられ、激しく求める事を止めることはできなかった。
宣言していた通り、今夜は寝かせてやれそうにはない。
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ようやくリヴァイが息を上げて満足したのは、朝日が昇り始める頃だった。
当然だがクレアは身体を起こせぬほどの疲労っぷりだ。
「無理させたな…大丈夫か?」
リヴァイはベッドから降りて、水差しから水を汲んでくると、クレアの前に差し出してやったが、腰が怠いのか中々上手く起き上がれない。
「こんな姿、お前を崇拝している新兵達がみたらなんて言うだろうな。」
身体を支えてやりながら水を飲ませると、クレアはまた横になってしまった。
「そんな…本当に朝までするなんて…思いませんでした…」
クレアはそう言うと、裸のまま小さく縮こまってしまった。どうやら本当にこんな時間まで交わる事になるとは思ってなかった様だ。