第34章 その数、無制限
「兵長、そういえば、ハンジさん達からプレゼントを頂いていたんです。」
「あ?!」
確かにハンジはクレアにプレゼントをあげると言っていたが、何故今なのだ。
そんなのどうでもいいだろうと再び抱きしめようとした時だった。
「宿に着いたら兵長と一緒にあけてと言われていたんです。結局バタバタしていて夜になっちゃいましたが…」
そう言うと、クレアは荷物から質素な白い紙袋を取り出してみせた。
「…どういう事だ?」
また何か企んでると踏んだリヴァイはより一層眉間のシワを深くさせている。
「何が入ってるんでしょうか…?」
「さぁ、何だかな。あけてみろよ。」
「は、はい……」
クレアは中身を覗き込むように袋をあけてみた。
「っ!?」
──グシャッ──
クレアは中身を見るやいなや目を見開いて驚愕すると、ブンブンと顔を左右に振り、後ずさりする様にリヴァイと距離を取り出した。
こんな物、とてもリヴァイに見せられる訳がない。
条件反射で紙袋ごと握り潰してしまった。
「おい、どうした?何が入ってたんだ?」
「兵長!!こちらに来てはなりません!!」
腕までブンブンと振り出し、物凄い剣幕だ。
この様子から察するに自分が見たら相当マズイ代物なのだろう。だからといってこのまま中身を確認しない訳にはいかない。
「なんだよ?俺とあけるようにクソメガネから言われてるんだろ?俺にも見せろよ。」
するとリヴァイはジリジリとクレアにつめより、握り潰された紙袋を引ったくってしまった。
「あぁ!!………あぁ…」
ハンジからのプレゼントを取り上げられてしまったクレアは、奈落の底に叩きつけられたかの如くフラフラと壁に背中をつけへたり込んでしまった。