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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第34章 その数、無制限



今、今リヴァイは何と言ったのだ。
顔を少しだけ傾けて見ると、クレアの右肩に顎を置き、はぁとため息をついているリヴァイが目に入った。


もしかしなくても拗ねているのだろうか…


リヴァイの言う通り、2人きりの休暇で外出など初めてだ。しかも兵舎内では他の兵士手前あまり恋人らしい事もできていなかった。


顔には出さないだけでリヴァイはクレア以上に今回の休暇を楽しみにしていてくれていたのだろうか?

そう考えれば馬1頭で行こうとした理由は理解できるし、余計な事を言ってしまった先程の自分の発言がとても悔やまれる。


「へ、兵長…すみませんでした…私何も分かってなくて。私も今日とっても楽しみにしていたんです。どうか私をダスゲニーに乗せて、連れて行ってください…」


クレアが謝罪をすると、なんとか機嫌を直したようだったが、ボンネット帽のレースでリヴァイの表情が分からなかったため身体をひねって後ろを向いたら自然と唇が重なってしまった。



「あ、すみません!」


「なんだよ…ヤリたくなるだろ。そういう事は宿に着くまで我慢しろ。」


真っ赤になって顔を背けてしまったクレアに、まんざらでもない様子で返したリヴァイは、ダスゲニーを走らせると、そのまま兵舎を出ていった。






やはり馬体の大きなダスゲニーの駈歩は反動が大きくて身体が揺れたが、サドルホルダーにつかまりリヴァイに背中を預ければすぐにバランスを取ることができた。

背中から温かなぬくもりを感じながら風を切る心地は、1人で馬を走らせる時の感覚や立体機動で飛ぶ時の感覚とはまったく違った。

安心しきって全身の筋肉が緩んでいく様な気持ちのいい気分だった。


「兵長、いったいどちらまで行かれるんですか?」



「ローゼ東側のとある田舎の村まで行く予定だが、細かいことはまだ秘密だ。少しかかるから休憩したかったら早目に言えよ。」


「は、はい!」



とある村?クレアはまったく予想ができなかったが、秘密と言われてしまえば仕方がない。

おとなしくその身を任せるしかなかった。





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