第33章 女の友情を深める○談
ポタポタと精製されていく媚薬を見つめながらクレアは慣れた手付きで火加減を調節していく。
チラリと2人の様子を見ればハンジはソファに座り、なくなりそうな材料を乳鉢ですり潰しながら横目で本を読んでいた。
モブリットを見れば、ハンジに丸投げされたであろう書類仕事を大急ぎでこなしている。おそらく提出期限が明日なのだろう。
普通の上官なら自身で書類仕事をやり、副官にはその他の作業を任せる所だろうが……
そこが逆になるのがハンジ班の特徴だ。
今のハンジは本が読みたくて、面倒くさい書類仕事をモブリットに丸投げしたのだろう。これももう見慣れた光景だ。
そんな今なら相談できるだろうか。
クレアはそっとハンジを呼んでみた。
「ハンジさん……ちょっといいですか?」
「ん?どうしたの?」
ハンジは乳鉢ではなく、本を片手にクレアの所までやってくると、隣に腰掛けた。
「………あ、あのですね…つかぬ事をお伺いしますが……」
「え?なに?なに?」
モジモジと言い出さないあたりきっとリヴァイの事だろう。ハンジはパタンと分厚い本を閉じると、ニヤニヤとクレアにくっつき耳を傾けてやった。
「……あの…………って…………な…ことですか?」
「え?何?聞こえない!」
「で、ですから………………って、………………ですか?」
「え?何クレア、リヴァイがなんだって?」
「もう!何度も言わせないで下さい……ですから…………って…………………ですか?」
「なんだよクレア、リヴァイのチ○コ、見たことないの?」
「ハンジさん!!!」 「ブーーーー!!」
クレアがハンジの口を塞ごうとしたのと同時に、モブリットが盛大に飲み込む直前の紅茶をふいてしまった。
「あ…あぁ…モブリットさん!!ごめんなさい!!」
「いや、いいんだ…俺のことは気にしなくていいから、分隊長との話を続けてくれ…」
モブリットは手元にあった布巾を手に取ると、自ら吹き出した紅茶を拭き取り仕事を続けた。