第33章 女の友情を深める○談
──誕生日前日──
明日と明後日の分の荷造りを終えたクレアは、ハンジの執務室へと向かっていた。
明日になれば2日間もリヴァイと一緒にすごすことができる。
先日はいきなりのリヴァイの申し出に、いきなりのバトル勃発でだいぶ頭の中を混乱させられたが、もちろんクレアは嬉しくないわけではなかった。
リヴァイが自分のためにと申請をしてくれた連休。
日を追うごとに楽しみで仕方なくなっている自分がいた。それがいよいよ明日なのだ。
執務室へ向かう足取りも自然と軽くなる。
クレアとリヴァイは恋人同士になってから半年が過ぎようとしていた。
もちろん順調に2人の関係は深まっているのだが、実のところクレアはその2人の“関係”について少し悩みを抱えていた。
それは取るに足りない小さな悩みなのかもしれないし、思い切って解消したらいい悩みなのかもしれない。でもその判断は今のクレアにはできなかった。
そんな相談をできるのはこの兵団内では2人しかいない。クレアはできたらその2人からアドバイスを貰いたかったのだが、時間を考えると相談できるのは1人であろう。
「クレアです。ハンジさん、失礼します。」
「あっ、クレアー!!待ってたよ!おいでおいでー!」
何やら上機嫌に手招きをされたが何かあったのだろうか?
「どうしましたか?」
「はい!これ!1日早いけど、私とモブリットからの誕生日プレゼントだ。」
「えー?いいんですか?」
渡されたのは特にラッピング等をされたわけではない質素な白い紙袋だった。
「あ、でも今はあけないで!!あけるのは明日リヴァイと泊まる宿に着いてからね!!できたら一緒にあけてね。」
「そ、そうなんですか?わざわざありがとうございました!」
ハンジはニコニコと頷いているが、モブリットの表情は固い。この差は何なのだろうか。
少し疑問に思ったが、クレアはその紙袋をソファのテーブルの上に置くと、早速精製作業に取り掛かった。