第32章 譲らぬリヴァイ!譲らぬハンジ!デスマッチ!
「ハンジさん…あれだけ飲んで、2日酔いとか大丈夫なんですか?」
「え?別に?結局朝まで寝ちゃったからね〜。おかげでスッカリ抜けちゃったよ。逆にもったいなかったかな?アハハ〜」
「うるせぇ。負けたヤツが偉そうに言うな。」
すかさずリヴァイがやってくるとハンジとは反対側に座りクレアの隣を陣取る。
3人の向かいに座っていたフレイアとモブリットはクレアを挟んでいがみ合う2人を見て苦笑いだ。
間に挟まれ小さなクレアが、両脇の重圧によりさらに小さくなってくように見える。
「分隊長、早く食べて厩舎までいかないと、時間なくなりますよ。今日は馬具点検をすると言っていたじゃないですか!」
モブリットがすかさず助け船をだすと、ブーブー言いながらもハンジは朝食を食べ始めた。
「リヴァイ!!勝負には負けたから連休は受理するけど、クレアにプレゼントくらいはあげてもいいだろ?」
「なんだよ、諦めが悪いな。」
「そういうリヴァイこそ、心が狭いなー。」
「うるせぇぞ、クソメガネ!……まぁプレゼントくらいはいい。ただし、コイツが喜びそうな物にしろよ。」
「よっしゃあ!分かってるって!!」
「………………………………」
ハンジはニカッとガッツポーズをすると、残りの朝食をかきこんでモブリットと共に先に食堂を出ていってしまった。
プレゼントに関しても2人はクレアの意見や意思を聞く気は無いようだ。
結局目の前にいるクレアの意見など聞くこともなくこの件もあれよあれよと言う間に決定してしまった。
「……だそうだ。プレゼントを受けとるくらいは許してやる。だが次の休みは連休で遠出をするからな。荷造りしておけよ。」
すると、リヴァイも朝食が済んだようでスッと立ち上がった。食堂に来る前にシャワーを浴びてきたのだろう。立ち上がった拍子にリヴァイのシャワー室に置いてある石鹸の香りがフワッと鼻をかすめる。
「あ、あの…荷造りって…いったいどこまで行くのですか?」
「今言ったら驚きが半減するだろう。当日その時まで秘密だ。」
少し口角を上げると、そのままリヴァイも食堂を後にした。