第6章 調査兵団入団
「………」
となると6時前にはここに来た方がよさそうだ。
訓練兵時代は5時には起きて自主練をしていたから、そんなに苦になるものではない。
そんな事を考えていたら…
「どうした、早起きは苦手か?…それともなんだ?お前は身体で払う方が趣味なタイプか?」
「…!!?」
……何を言い出すのだ!
「なっ!?違います!訓練兵の時から早起きして自主練習していたので朝は得意です!ご心配なく!」
そう言うと、リヴァイの持っていたカギをひったくり、自室へと走って行ってしまった。
……そんな事は知っている。
リヴァイは小さく舌打ちをした。
毎日自主練習に励んでいたことは、視察をしに行った時にわかっていたし
簡単に身体を許すような女ではない事も、兵舎の玄関先で触れた時の反応でじゅうぶんわかっていた。
意地悪を言うつもりなどなかった…
リヴァイはクレアを前にしたら急に調子が狂ってしまった。
走り去ってしまった後に、また花のような香りが微かに香る。
何故だがその香りはリヴァイの胸をチクリとさせた。
クレアは女子棟に向かって走った。
なんなんだ!いったい!
今日1日でいろんなことがありすぎだ。
団長に呼び出され
傍若無人に礼を要求され
匂いをかがれ鼻で笑われた
拉致られ
変な呼び名をつけられる
これが調査兵団という所か。
思い切り洗礼を受けた気分だ。
ともかく早く寝る支度をして今日は寝てしまおう。
また明日からは訓練の日々なのだから。
自室につき軽くノックをして開けると、同室の新兵がいた。色々とすれ違い、挨拶が夜になってしまった。
「あ、クレア、おかえり。私の名前は知ってる?フレイア・コートニーよ。今日から同室よろしくね。」
彼女の名前は知っていた。スラッとした容姿に綺麗な黒髪のショートヘアをしている。
訓練兵時代は部屋が別々だったため、会話をしたのは今日が初めてだ。
「こ、こちらこそ宜しく。名前を覚えていてくれて嬉しいわ。」
フレイアはすでに風呂を済ませていたため、クレアは急いで風呂の支度を始めた。
「ごめんなさい、私まだお風呂に入ってないの。すぐに済ませてくるけど、先に寝ていてくれてかわまないから。」
「あっ!待って!」