第32章 譲らぬリヴァイ!譲らぬハンジ!デスマッチ!
──パシッ──
「えっ?!」
クラバットに触れようとしたところでリヴァイに手を掴まれてしまった。
少しでも楽になればと思ったのだが…何かまずかっただろうか。
「なんだよクレア……“ご褒美”でもくれるのか?」
「…え?なんの事ですか?!」
「あのクソメガネのクソ見てぇな勝負に勝ったんだ。褒美はねぇのか?」
確かに自分の誕生日のために時間を作ってくれたのは嬉しい話なのだが、どうしたものか。
かしこまった顔で思い悩んでいると、痺れを切らしたリヴァイはクレアを抱え上げ、ヒョイっとベッドに放り投げてしまった。
「キャア!!兵長!?どうしちゃったんですか?と、とにかく今日はもう休みましょう!明日の訓練に障ります!」
クレアの話を聞いてるのか聞いていないのか、リヴァイは目元を赤くしたままフラフラと、濡れてしまったクラバットを取り、シャツを脱いで投げ捨てた。
「クレア…やっと、やっと2人きりの時間が作れた。もうクソメガネに文句は言わせねぇぞ……早くお前の喜ぶ顔が見たい……」
「兵長…?」
ベッドの真ん中に座っているクレアの胸元めがけて抱きつくと、リヴァイはクレアの小さな胸に顔を埋めて押し付けた。
まるで、小さな子供が甘えているようだ。
思わずクレアもリヴァイを抱きしめ返してしまった。
「クレア…………好きだ…」
顔を埋めて抱きついていたと思ったら今度はクレアの腕を引いて強引に唇を奪う。
「……う……ん……んん……」
強いアルコールの香りに飲んでもいないクレアが酔ってしまいそうになる。
「好きだ………クレア……週末が楽しみだ…」
「兵長!!相当酔ってますよね?!もう寝ましょう。本当に明日大変な事になります。」
甘えたような仕草に、甘い言葉を囁くなど、酔ってる意外に何も考えられない。リヴァイに限ってないとは思うが、2日酔いになっては大変だ。クレアは何とか寝かせようと試みるが…
「何だよ…そんなに心配するな。お前を可愛がるくらいワケない……」
「もう……兵長……」
クレアの抵抗も虚しくあれよあれよと服のボタンを外されてしまった。