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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第32章 譲らぬリヴァイ!譲らぬハンジ!デスマッチ!



「ハ、ハンジさん…兵長…」

瞳をギラつかせながら颯爽と上着を脱ぎ捨てたハンジを思わずカッコいいと感じてしまったクレアだったが、それを口にしたらリヴァイの機嫌を悪くしてしまうのは確実だ。

それに上着を脱いで臨戦態勢をとってるのはリヴァイも同じだ。
シャツを着ていても十分によく分かる筋肉質な上半身は、どんな硬さで、どんな風に自分を抱いたかを不意に妄想させてしまい、クレアの心臓はたちどころに騒ぎ出してしまった。


どうしよう!どっちもかっこいいし!いったいどっちを応援したら良いの……


胸をひたすらにドキドキさせながら見守っていると、リヴァイが不機嫌な口調である条件をハンジに突きつけた。


「おいモブリット。カードを配ってゲームを仕切るのはお前だ。クソメガネにイカサマされたらたまったもんじゃないからな。」


「わ、私がですか?」


リヴァイに睨まれ思わぬ所で大役を押し付けられたモブリットは、戸惑いが隠せないようだ。いつも穏やかな顔が引きつっている。


「言っとくが、上官を勝たせたいからって、ヘタな真似するんじゃねぇぞ。」


上官のためだからといってイカサマをする様な男ではないのは十分わかってはいたが、これはクレアを賭けた絶対に負けられない勝負。
念を押すのに越したことはないだろう。


「は、はい……カードのチェンジは、どうしますか?」


チラリと双方を見やると…


「「チェンジは1回だ!!」」


またもハモる。
ポーカーの細かいルールについては気が合うようだ。


「承知致しました…では、始めましょう…」


モブリットはカードをよく切ると、双方に手際よく5枚ずつ配った。





「よっしゃあ!!スリーカード!!」


まず、先勝したのはハンジだったが、人類最強のリヴァイが連敗を許すはずもない。



「ハッ、1回勝ったくらいで調子に乗るな。フォーカードだ。」


するとリヴァイはテーブルの上に上がりのカードをスラッと並べて見せる。



勝負はどちらも譲らず一進一退の攻防戦だった。



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