第6章 調査兵団入団
「うん、クレアの特例を許可するかしないかは調査兵団に一任されたんだ。調査兵団も、優秀な兵士は1人でも多く欲しかったからね!それで、私とリヴァイで一緒に訓練兵団まで、内密に君の視察に行っていたんだ。だから食堂の入り口で見かけた時はすぐにわかったってわけ!」
「………………」
驚いた。自分の特例はエルヴィンとキース教官の間で内々に決められたものだと思いこんでいた。こんなに多くの人間を巻き込んでいたとは…
それに……
「リヴァイ兵長も…御一緒だったんですか……?」
「そうだよ。最終的に特例許可の判を押したのはエルヴィンだけど、クレアが実際に特例に見合う実力を持ってるかどうかの判断したのはリヴァイだ。勿論判断を任せたのもエルヴィンの命令だけどね。」
そういうことだったのか…ということはリヴァイ兵長が私を使えない兵士だと判断したら、ここにはいられなかったわけで……
そうなると、さっきの玄関先での話が1本の線でつながるけど……
だからといってあんな強引なやり方って………
クレアは何故だか全身が沸々と熱くなるのを感じた。特に先程触れられた顎のあたりに熱が集中している気がする。
心なしか心臓もうるさくドキドキしていた。
「あれ?クレアどうしたの?顔赤いよ?」
「な、なんでもありません!お料理、いただきますね!」
クレアは赤い顔をごまかすかのようにむしゃむしゃと料理を食べ始めた。
モブリットは少しゲッソリとした顔をしていたが、3人で他愛もない話をしながら楽しい時間を過ごした。
酒瓶が次々と転がり始めたところで、歓迎会はお開きだ。
数人の男新兵が潰れているが、明日の訓練は大丈夫であろうか?
そんな心配をしながらハンジと食堂を出た。
「うちの班は訓練以外にも、実験に研究に色々と忙しいけど、宜しく頼むよ!クレアに期待してるからね!」
「はい!任せてください。」
胸を張って答えたその時だった。
2人の背後から少し不機嫌なような低い声が聞こえた。
「よぉ……奇行種2人。さっそく仲がいいな…」
聞き覚えのある声にビクッとし、振り返ると、予想通りの人物。
リヴァイだ。