第6章 調査兵団入団
「周りの班より人数少ないけど、今日からこの3人がハンジ班のメンバーだよ。」
「ハンジさん、モブリットさん、今日からどうぞ宜しくお願い致します!」
ちょうどその時、エルヴィンから開会の挨拶が始まった。
「勇敢な新兵の諸君、調査兵団への入団、心から歓迎する。明日からはまた厳しい訓練だ。次回の壁外調査の準備も着々と始まっている。今宵は酒も用意している。明日の訓練に支障がない程度ならハメをはずして構わない。楽しんでくれ。」
短い挨拶を終えると、自席に戻って行った。
よく見ると隣にはリヴァイが座っている。
全員起立で乾杯をすると、食堂はワッと賑やかな雰囲気になり、皆思い思いに飲み食いを始めた。
「そうだ、クレア、会えたら聞こうと思ってたんだけど、分隊長のどこをそんなに惚れたのかい?」
…なんだかその質問、少し前にされた気が…
「あー!それ私も気になる気になる!クレアー。教えてよ。」
本人を目の前にして答えるのもちょっと気恥ずかしいが、仕方がない…
「笑わないで聞いて下さいね…ハンジさんの巨人に対する情熱と、暴走した講義に一目惚れでした…私は昔からそこまで情熱を注げる物に出会った事がないので…私もハンジさんのお側で仕事がしてみたいと思ったんです。」
モブリットは少し顔色が悪くなった。
ハンジの暴走を止めるのはいつだってモブリットの役目であったが、止めきれていない時もあるのが現状だ。
ハンジの暴走を止める人間がもう1人欲しかったのが正直な気持ちである。
だが、今のクレアの話を聞く限り、クレアはハンジを崇拝している傾向にある。
これはまずい………
クレアがハンジの暴走を助長する可能性があるかと思うと、一気に疲労がこみ上げてきた。
「あぁ!あの講義かぁ。やっぱり私が行って正解だったね!こんな優秀な子に入ってもらえたんだから!」
ハンジは満足げにジョッキに入った酒をグイッと飲み干した。
「ところで、ハンジさん、どうして私の事がすぐにわかったんですか?」
「んーとね、実は、クレアの事はキース教官から手紙をもらっていたんだ。」
「え?キース教官からですか?」