第31章 それは奇行種が決めること
ここ数日の事件が解決に至ると、ハンジ達もエルヴィンの執務室を後にした。
「クレア……一時はどうなるかと思ったけど、無事解決してくれて本当に良かった。私はモブリットに仕事任せてきちゃってるから先に行くけど、クレアは今夜は休みだよ!きちんと身体休めてね。いいね〜!!」
「は、はい!!」
するとハンジはワシャワシャと両手でクレアの頭を撫でると、手を振りながら一目散に執務室へと走っていってしまった。
仕事に出れずに申し訳なかったが、カオリナイトの膝蹴りが見事に急所を捉えていたため、若干まだ腹部が痛んでいた。今日はハンジの好意に甘えて休ませてもらおうと、フレイアと自室に向かおうと思ったその時だった。
──ドンッ──
フレイアから軽く肩を押されて思わずよろけてしまう。
「今夜クレアの寝る場所は違うでしょ?!」
「えぇ?!」
「リヴァイ兵長!お疲れ様でした!!」
「あぁ。フレイアもご苦労だったな、引き取って休んでくれ…」
「えーー!?」
フレイアはリヴァイに敬礼をすると、クレアには悪い笑みでウインクを飛ばして行ってしまった。
これっていったいどういう状況なのだ。
「お前は気の利くいい同室を持ったな。」
リヴァイは満足げな表情でクレアの手を引くと自身の自室に向かって歩き出した。
──バタン──
リヴァイの自室につくと、一直線にベッドまで連行されてしまう。
──ドサッ──
「キャッ!!」
少し乱暴めに押し倒されたが、リヴァイの表情から察するに、怒っている訳では無さそうだ。
「お前はさっき、散々俺を煽るような事を叫びまくってくれたが、覚えているか??」
「え?あの……」
確かに頭の中の何かがキレて色々と怒鳴った様な気はするが、イマイチ思い出せない。フレイアも言っていたがきっと自分は何かまずい事を言ったのだろうか?
クレアは助けを求めるようにリヴァイを見つめ返した。