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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第31章 それは奇行種が決めること





「……なによ…なんなのよ……」


フラフラと脇腹を抱えながらカオリナイトはクレアを睨み上げる。


「こんな事になるなら、さっさと消しちゃえばよかった!とんだ誤算だったわよ!」


カオリナイトはクレアから視線を外さぬまま茂みに隠しておいた太い木片を握ると、ゆっくりと立ち上がる。


「大人しく自滅してくれれば良かったものを…こんな事なら鞍なんかじゃなくて立体機動装置に細工しておけばよかったわよ!!!」



「!!!」



両手で木片を握り直して大きく振りかぶってくるカオリナイトに、クレアは素早く回避の動きを取ろうとした。


しかし、その時だった。











「そこまでだ、カオリナイト。」







少し離れた木の影から出てきたのはリヴァイだった。








「リ、リヴァイ兵長にハンジ分隊長…それにあんたは…フレイア…」


まさかの人物の登場に両手を振り上げたまま驚愕するが、その顔は直ぐに怒りの表情に変わり、その矛先はミメットへと向けられた。


「ミメット!!あんた、裏切ったわね!!」


「ち、違う!私は裏切ってなんかいない!!」


顔面を蒼白させたミメットは思い切りかぶりを振りながら否定をした。


「カオリナイト、ミメットは裏切ってはいない。君は私達がここにいる理由が知りたいんだろ?」


「………………」


「いやぁ、私達みんなクレアの事が大大大好きでさー。君達のせいで取り返しのつかない事になったら大変だから、ずっと警戒してたんだよ。ちなみにここにいる事に気づかせてくれたのはクレアの愛馬のデイジーだ。馬だからってデイジーを侮ったのがよくなかったな。」


「……?!」


「ねぇ、カオリナイトくーん、私達がクレアに対して抱いている壮大な愛を舐めてもらっちゃあ、困るなぁ…」


「キャッ!!」


するとギラリとメガネを月明かりで光らせたハンジは、カオリナイトが持っていた木片を蹴り飛ばすと両手を後ろにまわし拘束した。


「鞍に細工をした事と、立体機動装置への細工をほのめかす犯行の自白は、ここにいる私達がしかと聞き留めたからね。もう言い逃れは出来ないよ。」



リヴァイ達の登場により、急展開に事態は好転した。


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