• テキストサイズ

ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第30章 奇行種、異変




リヴァイは兵舎内で人気の少ない所を中心に走り回ったが、クレアは見つからなかった。

「おい、ハンジ!」

朝食で賑わう時間になった食堂にもいなかった。リヴァイはちょうど朝食を食べているハンジを見つけ出すと、今朝の事を話す。

「え?本当に?!」

まさかの報告に、ハンジも昨日クレアから聞いていた話をリヴァイに伝えた。

こうなると、おそらくここ数日の出来事には関連性があると見てまず間違いないだろう。

しかしそうこうしているうちに訓練開始の時間だ。

リヴァイ達はまだ愛馬の手入れをしていなかった。急いで済ませないと訓練開始に遅刻をしてしまう。しかし今日は偶然にも、ハンジ班とリヴァイ班は合同で騎乗訓練だった。

「とりあえず厩舎まで行こう!もしかしたら先に準備をしているかもしれない…もし厩舎にもいなかったら、その時はエルヴィンに報告だ。」


2人はひとまず厩舎まで急いだ。







しかし、厩舎に着くと、クレアはデイジーに無口を付けて馬房から出そうとしているところだった。


「「クレア!!?」」


思わず2人はかけより声をかける。
すぐにリヴァイ達に気づき顔を向けるが、なんだか様子がおかしい。


「あ…へ、兵長…ハンジさん…おはようございます…」


「クレア?顔色悪いよ?体調悪い?」


「い、いえ…ちょっと寝坊してしまって…朝ごはん食べ損ねただけです。体調は悪くありません。」


咄嗟についた嘘だったが2人は信じてくれるだろうか?クレアは倉庫でしばらく動けなくなってしまっていたが、リヴァイが探しにきてしまう前に頭を整理しなくてはと思い立ち上がった。
急いで立体機動を装着し兵舎の屋根まで登ると、訓練開始のギリギリの時間になるまで、クレアはそこに座り込んでいたのだ。


兵舎周辺を探し回っていたリヴァイには見つけられなかったはずだ。


「兵長も、今朝は執務室に伺えず申し訳ございませんでした…」


「そんな事はいい。本当に理由はそれだけなんだな?」


「は、はい……」


「分かった。」


本当はその返答を信じていなかったが、今ここで問い詰めてもきっとクレアは話さないだろう。
そう思ったリヴァイはここでそれ以上追求するのはやめにした。




/ 1981ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp