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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第30章 奇行種、異変





「あ、す、すみません!!」

2人の関係を知っているエルドは思わず回れ右をしようとするが、何をしにきたか知っていたリヴァイはそのまま続けさせた。


「明日の合同訓練のメニューについて相談にきたんだろ?別に構わない。」


リヴァイはクレアから一旦離れると、書類が積んである机に向かいイスに腰かけた。

「…は、はい…」

本当はまったく構わない訳ではないのだが、兵士長としての仕事に手を抜くことは出来ない。
それはクレアも重々承知の事だ。


「兵長、私はこれで失礼致します。また明朝に。」


クレアは敬礼をすると、そそくさとリヴァイの執務室を後にした。










「わぁもう…びっくりしたぁ……」


なんとも絶妙なタイミングでエルドに入室されてしまったが、顔は赤くなってなかっただろうか…

思わず早歩きになりながらパンパンと頬を叩いてしまう。

本当はもう少しリヴァイと触れ合っていたかったが、訓練メニューの話では仕方ない。
クレアは先程の拗ねた表情のリヴァイを再び思い出しては胸をキュンとさせてしまう。

「ふふっ。やっぱり兵長、ちょっと可愛かったな…絶対に言えないけど…」

またあんな様子のリヴァイを見てみたいとも思ったが、肝心の新兵達は、あのリヴァイの鋭い眼光で一喝されてしまったのだ。

さすがにエネルギーに満ち溢れた新兵でもおとなしくなるだろう。
クレアは少し安心するが、少し寂しいような複雑な気持ちになりながらも自室に戻っていった。



────────────



しかし……


「クレアさーん!」


「クレアさん!見つけました!」


「ちょっと待って下さーぃ!」


「えぇ!?ちょっ!ちょっと待ってね!」


翌日以降も、エネルギーに好奇心があり余った新兵達の質問攻撃が無くなる事はなかった……


「おい!お前ら!いい加減にしろ!」


囲まれてはリヴァイに引っ張り出されるという流れの繰り返し。



こんな風に、騒がしくも賑やかな日々を送っていたから気づかなかったのだろう。





密やかに、且つ着々と近づいてくる黒い影に……




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