第29章 103期入団とハンジ班の奇行種
「ちょっとリヴァイ、ずいぶんなご挨拶だなぁ〜。」
ハンジは振り返りリヴァイにからみ出す。
「あぁ、悪かったな、2m級の奇行種と1m級の奇行種…………」
言い方を変えてるが、ずいぶんな挨拶には変わりない……
というか、こんなやりとり、昨年もした事を思い出したクレアは、思わず懐かしくなってしまった。
「なんだよ〜、クソメガネの次は奇行種かい!言わせてもらうけど、私は2mもないよ!」
「ちなみに私は1m以上はありますよ。」
今年のクレアはクスリと笑顔で返してみせた。
「アハハハハ!そうだね!クレアはちっちゃいけど、1m以上はあるよね!かわいーなー。」
と、クシャクシャと髪を撫でられる。
「おい、クソメガネ、少しこいつを借りるぞ。短時間だ。仕事には行かせるから文句はねぇな…」
目の前でクレアを良いように触りまくるハンジに苛立ちをあらわにすると、舌打ちをしながらクレアの手を取った。
「こんどはクソメガネかい!って、ええええーー!?なんでよ?なんでそうなるの?これから3人で仲良く執務室に向かう予定だったのにー!!」
「執務室には行かせると言っただろ、おいクレア、ついてこい。」
そう言うと、リヴァイはクレアの手をとり、引っ張るように連れて行ってしまった。
「えぇ?!兵長?!」
懐かしく思っていたのも束の間、昨年同様何処かに連れていかれる展開に、クレアはどうしてよいのか分からなくなってしまうが、リヴァイに引っ張れてしまえばどんどんとハンジの顔は小さくなってしまう。
「あぁぁー!クレアがリヴァイに拉致られたぁ!今年もリヴァイに拉致られたーーー!!クソーー!!」
「分隊長!!落ち着いてください!兵長もあのように仰ってましたし大丈夫ですよ。私達は先に始めていましょう。」
「うぅ……わかったよ……ったくリヴァイのやつー。」
モブリットの言葉にとりあえず了承をしたが、ハンジは心底不満な様子だった。
──バタン──
リヴァイから手を引っ張られ、何処へ連れていかれるのかと思ったら旧舎の非常階段であった。