第28章 リヴァイの約束
「クレア!もういいってば!話はリヴァイから全部聞いてるでしょ?!私もそれだけクレアが大事なんだってこと分かってくれてるかい?無事に帰ってきてくれれば、始末書の1つや2つ、モブリットがどうにでも書いてくれるから大丈夫大丈夫!ハハハ!」
「分隊長…分かってはいましたが、やはり私が2枚書くんですね。」
「ハンジさん…モブリットさん…」
「クレア、俺だって同じさ。君が無事に戻って来てくれることを望んでいたんだ。分隊長の分まで書くから安心してくれ!」
「…本当に、ありがとうございます…」
クレアは3人の想いに思わず胸を熱くしてしまった。
「それにしてもエルヴィン、処分は始末書のみだなんて、よっぽどクレアのこと……」
「おい!!クソメガネ!」
鋭い眼光でリヴァイはハンジを睨み上げる。
「???」
「おっと、ゴメンごめん!!さぁ、クレアはもう戻って休みな。後片付けは起きてからゆっくりすればいい。それに、フレイアも無事に帰還しているから安心していいよ。」
ほら行きなと言いたげにハンジは部屋に戻るよう促してきた。
「は、はい!では皆様、失礼致します!」
ハンジの言いかけたことはよく分からないが、正直身体は疲労でフラフラだった。仕事の手伝いも申し出たかったが、ここはひとまずハンジの言葉に甘えることにしよう。
しかし、女子棟に向かっていこうとしたところで、リヴァイに突然腕を掴まれてしまった。
「お前は俺の部屋だ。さっさと行くぞ。」
「えぇ?!」
ハンジたちの前でいきなり何を言いだすのだ。
クレアは思わず首をブンブンと振ってしまった。
「まだ早朝だ。今戻ったら疲れて寝ているフレイアを起こしちまうぞ。もう少し日が昇るまで俺の部屋にいろ。いいな。」
「クーーッ!!リヴァイも男になったねー!そういう事なら邪魔はしないからヨロシクやってちょうだいねー!」
「余計な世話だクソメガネ!」
「え?えー?!」
確かにリヴァイの言う事は一理あるが、まさかの展開に頭がついていかない。
クレアは少し目眩を起こしそうになりながらも、ブンブンと手を振りながら見送るハンジの笑顔を見ながらリヴァイの自室へと引きずられて行った。