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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第28章 リヴァイの約束





「はぁ…はぁ…はぁ…」


リヴァイは身体を起こしてやり、服を整えてやった。
あつく熱を帯びたクレアの身体は肩で息をしながら再びクタリとリヴァイにもたれかかってしまう。


リヴァイはまだ物足りなかったが、久しぶりの情事にひとまずは満足することにした様だ。


「壁外でヤるなんてそう滅多にない機会だったぞ。どうだった?」


そんな、どうだったかと聞かれても返答に困ってしまうが…


「わ、悪くなかった…です…」

苦し紛れの答えだが嘘ではない。

クレアは今しがた、果てる間際に見上げた空から飛び込んできた星の瞬きが、今にも降り注いでくるかのように眩しく美しかったのだ。


それは、旧舎の非常階段から見上げる星空よりも何倍も美しかった。


「そうかよ…」


リヴァイは後ろからクレアの頭を優しく撫でた。


「今果てる瞬間に飛び込んできた星空は、旧舎の特等席から見上る星空よりも何倍も美しかったです。同じ星空であるのにどうしてでしょうか……」


「………。」


「ここは今となっては壁外ですが、かつてはウォールマリアの壁内であって人々が暮らしていましたよね。兵長は本当の壁外に出られた事があったと思うのですが、空は美しかったですか?」


「あぁ…悪くなかったな。」


「そうですか…同じ空でも、壁内と壁外ではこんなにも違うんですね。ただの空であるのには変わりないのに…きっとこんなことに気づくのは私達調査兵だけでしょうね。」

クレアは柔らかく笑った。

「あぁ…そうだな。」


そこまで話すと、クレアはうつらうつらと目を瞑り始めてしまった。
少しでも仮眠を取らせたほうが良いと判断したリヴァイは後ろから抱きしめたままクレアを眠らせてやった。





────────────────



3時間も過ぎようとした頃、まだ太陽は見えていないが、真っ暗だった暗闇が終わりを告げようとしていた。


「クレア、起きろ。」


身体を揺するとすぐに目を開けクレアは立ち上がった。


「あ、す、すみません!私、眠ってしまって…」


「そんな事はいい。間もなく日が昇る。馬には乗れるか?」


「はい!問題ありません!」


クレアは立体機動を装着するとデイジーの元へ行き跨がろうとしたその時だった。

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