第6章 調査兵団入団
クレアはゴクリと唾を飲み込んだ。
「ハハハ、そんなに固くならないでくれ、私はクレアに会えるのを楽しみにしていたんだ。ハンジ班での活躍期待しているよ。」
そこでハッとする。
そう、クレアはエルヴィンのおかげで特別入団できたのだ。
礼を言わなくては。
「エルヴィン団長、この度はこのような前例のない特例を認めてくださりありがとうございました!期待に添えるよう訓練に励みますので宜しくお願い致します!」
胸を張り敬礼をする。
「いいんだ、楽にしてくれ。」
そういうと立派な応接セットのソファにかけるよう促された。
失礼しますと腰かけると、エルヴィンは2人分の紅茶を淹れ始める。
「あ、団長、私がやりますので…」
「いや、いいんだ。かけててくれ。そのかわり今度君がここに尋ねてきた時は、是非淹れてくれるとありがたい。」
「あ、ありがとうございます。そのようにさせていただきます。」
2人で紅茶を飲みひと息つく。
エルヴィンの話は他愛もない事ばかりだった。
次第にクレアの緊張もほぐれてきた。
30分程のたった頃だろうか。
「すまない、長話をさせてしまったね。キース教官から君の話を聞いた時から、どんな訓練兵なのかずっと気になっていたんだ。今日は話せてよかったよ。この後は夕食の歓迎会まで自由時間だったな。引き取って休んでくれ。」
「ありがとうございます。では私はこれで…」
「あ、すまない、最後に1ついいかな?なぜクレアはハンジに惚れたんだい?」
「…講義であんなに暴走してしまうほど、巨人にのめり込んでるハンジさんに魅力を感じました。私には今まで生きてきて、あそこまで突き動かされるものに出会ったことがなかったので…私も側で一緒に仕事がしたいと思ったんです。もう、一目惚れだったのかもしれませんね…」
少し照れくさそうに答えた。
「そうか、ハンジが聞いたらまた暴走しそうだな、ありがとう。またあとで。」
「いえ、失礼しました。」
──パタン──
扉が閉まると、エルヴィンは紅茶のカップを片付けながらぼんやりとクレアのことを考えていた。
ハンジに惚れ込み訓練の成績も申し分ないという話だったため、エルヴィンはもう少し逞しい勝ち気な雰囲気の女兵士を想像していた。