第27章 リヴァイの想い
「あ、あの…兵長方の独断ということは……処罰とか…そういうことになるのではないですか…?」
確かに自分は死にたくはなかったし、生きてリヴァイにも会いたかった。
もちろんハンジ達の無事にも安心したが、自分1人のために誰かが処罰を受けるなど望んではいない。
「まぁ…何もないって事はないだろうな。」
「!?」
その言葉にピクリと肩が勝手に動いてしまった。
リヴァイ達が処罰を受けるかもしれない…そう思うと、クレアはいてもたってもいられず勢いよく立ち上がろうとしたが、リヴァイによって座り直されてしまった。
「まぁ…待て。」
「で、でも、私1人のために皆さんが処罰なんて!」
クレアはじっとしていられず、リヴァイの腕の中でジタバタと暴れてしまう。
「落ち着け!!これは、俺が決めた。俺の選択だ…俺はもう、大事なものを失いたくなかったんだ。」
「…兵長?!」
「以前、俺の地下街での生活を話したことがあったが、覚えているか?」
「…はい。」
「その時に一緒につるんでいた仲間がいた事も話していたよな?そいつらは、ファーランとイザベルという名前だった。…本当に遠慮のない奴らでな。気がつけば一緒にいるのが当たり前になっていた。…当たり前すぎて…俺は失うまで気づかなかったんだ。」
「……」
「…あいつらがどれだけ自分にとって大切な存在だったかなんてな。」
「兵長……」
「奴らを失ったのは壁外での自分の判断ミスだった……気づいたときにはもう、手遅れだった。」
そこまで言うと、リヴァイは力を入れてクレアを抱きしめ直す。
「だから、俺はもう絶対に大事なものを失わないように、選択を間違えたくはなかったんだ。それが例えどんな方法であってもだ……ハンジはそんな俺の気持ちも踏まえて了承をしたんだ。だから、お前が気に病むことは何もないし、俺もこの選択に何も後悔はしていない。現に、こうして無事に生きて会えたんだ。文句は無いだろ?」
「そ、そんな………」
「絶対に、お前を失いたくなかった。……分かってくれるか?」