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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第27章 リヴァイの想い




確かに、あの時リヴァイが受け止めてくれなければ、自分は意識を手放した後に地面に叩きつけられて死んでいただろう。

ワイヤー1本で宙吊りになっていたことといい、今の落下のタイミングといい、今日の壁外調査は怖いほど悪運に恵まれている。


しかし、悪運に恵まれてるだけでは説明のつかないこともある。クレアはいくつかリヴァイに聞きたい事があった。必死に目元を擦り涙を止めると、声を震わせながら喋りだす。


「と、ところで兵長が何故ここに?ハンジさん達はご無事なんでしょうか…?それにエルドさん達だって…」


すると、一瞬リヴァイの眉間にシワが寄る。


「おい、奇行種…意識が戻ったと思ったら、早速あのクソメガネの心配かよ!!」


「あ、い、いえ…実は私は討伐の途中でこの森に飛ばされたので、その後が気になってしまって…」


すると、リヴァイは一度ため息をつき、クレアを自身の腕の中に座らせ直すと、後ろから優しく抱きしめた。


「実は、少し前だがハンジと約束をしていたんだ。」

「え?約束…ですか?」

「あぁ、12月に行われた壁外調査の日の朝にだ。」

「…いったいどんな…?」


ハンジもリヴァイも、そんな素振りのかけらすら感じさせなかったので、クレアはまったく想像がつかなかった。


「もしお前の命が危険になる様な緊急事態が起こったら紫の信煙弾を3回撃てと、約束させていた。そのかわり、その後は何があっても俺がなんとかするという約束もしていた。」


「…兵長…どうしてですか?こんな末端の兵士1人に兵長がお一人で動かれるなんて…団長は、団長はご存知なのですか?」


「違う…」


「え?!」


「違うだろ…!お前は、ただの末端の兵士ではない…」


「…ご、ごめんなさい…!」


リヴァイの気持ちにクレアは心臓の鼓動を速くさせてしまうが、自身の背中から伝わってくるもう1つの心臓の鼓動も同じように高鳴ってるのは、きっと気のせいではないだろう。


「で、ではこれは兵長の独断ですか…?」


「あぁそうだ。ちなみにクソメガネもモブリットも了承済みだ。だからあの2人は無事に陣形に戻ったから安心しろ…」


「そ、そんな…」



2人の無事には一安心だが大きな懸念がクレアの脳裏に浮かんだ。








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