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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第25章 想いの果てに



「はぁ…はぁ…はぁ…」


「おい…こんなことして、本当に大丈夫だったのか?」


今更ではあるが、肩で息をしている女に思わず突っ込まずにはいられなかった。


「あなたが内緒にしていてくれれば何も問題はないわ。」

すると、少し息を上げながらも身体を起こして話を続ける。


「最後はなんだか私がいい思いさせてもらっちゃったけど、どうだった?ここの娼館、気に入ってくれた?私はちゃんと慰めになれたかしら?」



「あぁ……それは、十分すぎる程に世話になった…」

これは、決してお世辞ではなかった。
自分がハンジに抱いている想いはきっと兵団の殆どの人間にバレているだろう。しかし、モブリットは今に至るまでその想いを誰かに相談などした事がなかった。


こんな風に誰かの慰めを求めるように自分の気持ちを他人にぶつけて吐き出したのは初めてであった為、今のモブリットはなんとなくだが、モヤモヤと締め付けられていたものがとけて、心に澄んだ風が通っているような感じがしていた。

それもこれも、この女のおかげであろう。


「それなら嬉しいわ!じゃあ時間も迫ってるし、シャワーで流しましょ。」

すると、女は手際よくモブリットの服を脱がせるが、あまりにも手際が良すぎてモブリットは一瞬たじろいでしまう。

「あら、今更恥ずかしがらないで。もうすることしちゃったじゃない。」

いたずらっぽくウインクを飛ばす姿までハンジにそっくりだ。

少し苦笑いを浮かべながらも2人はシャワー室へ入っていった。



────────────────


無事に情事とシャワーでのサービスが済んでしまえば、あとは名残惜しくも結びの時間である。


着替えを終えたモブリットは女が着ていたジャケットを手に取るとしげしげと見つめた。

「本当に良くできてるな。」

「そうでしょ?ここにいる娼婦は全員腕のいいお針子なの。衣装はなんでも揃ってるわよ。」

「そうなのか…」

「なんだか若い子達はここを「コスプレ娼館」って名前を付けて盛り上がってたけどね。」

「コスプレ?どういう意味だ?」

「ふふふ、若い子の考えてる事なんか、私にもよく分からないわ。まぁ、なんでも変身可能って意味らしいけど、きっと勝手に作った造語よ。」



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