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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第25章 想いの果てに



女の前に立つと、少し震えそうになる手を必死に抑えながら、フードをとった。





「……………………!!!」




モブリットは驚いて言葉が出ず、思わず片手で口を塞いでしまう。

目の前にいるのは、ここが娼館という場所でなければ、紛れもなくハンジそのものであった。



「私のことはお好きにお呼び下さいませ。もちろん、どんなに有名な方であっても口外は致しません。」

女はモブリットの手を取りベッドに座らせる。

「あ、それと私はなんとお呼びすれば宜しいでしょうか?」

偽名を使うか一瞬迷ったが、もうどうでもよくなってしまった。

「モブリットだ。」

「モブリット様、ですね?」

「違う…」

「え?」

「違う、モブリットと呼び捨ててくれ。それと、敬語も使わないで欲しい。」

「かしこまりました。」

「それと…」

「?……キャッ!!」

モブリットはキレイに結われた頭に手を入れると、ワシャワシャと動かしワザと髪をボサボサにしてみせた。髪がボサボサになればもはや本物のハンジと区別がつかなかった。

「これでいい…」

すると、女はモブリットの隣に座り、話し出す。

「モブリットは、フラれちゃったの?」

「フラれたも何も、始めから永遠の片想いさ……」

仕方なくモブリットはここに来るに至るまでの経緯と自分の気持ちを簡単に説明した。
後半はなんだか少し情けない愚痴のようになってしまったが、こんな風に誰かに慰めてもらうように自身の事を話すのは初めてだった。

やはり以前クレアに話した時には格好をつけてしまったなと今更ながら少し後悔をする。


「そうだったのね。じゃあ、私が時間いっぱいまで慰めてあげるわ。やり方は私流でいいかしら?」

すると女は一度立ち上がると、モブリットに跨り対面した。


「…………。」

いきなりの展開に思考が追いつかなかったが、後戻りなどできないのだ。モブリットは素直に頷いた。


「モブリット……」


女は甘い吐息混じりに名を呼ぶと、腕をまわして深い口づけをしてきた。


角度を変えながらタイミングをうかがい舌を侵入させると、積極的に舌を絡ませ、雄の興奮に火をつける。


モブリットも久しぶりに感じる唇の感触に全身をゾクリとさせた。


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