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ハンジ班の奇行種【進撃の巨人/リヴァイ】

第25章 想いの果てに



「…え?条件…ですか?」


「あぁ…それが無理なら娼館へ行く気はない。」


「えと…なんでしょうか…」

少しばかり女にも緊張が走った。











「俺の相手をするのは君だ。それが無理なら行かない。」





「え…?」





モブリットが出した条件。
それは、この女を指名する事だった。

この女は派手なドレスを着ているが、身長から体型、目鼻立ち、髪質、喋るときの唇の動きに至るまで全て、自分の敬愛するハンジと瓜二つであった。

最初目に入ったときは、酔って幻を見たのかと一瞬身体が硬直したが、そうではないようだ。

モブリットは、この女を指名できないのであれば他のどんな女も抱く気になどなれなかった。

「む、無理ではないのですが、お店にはもっと若くて可愛い子が沢山おります。何も私のような年季の入った女でなくても……」

「年季が入ったと言ったって、君は今いくつなんだ?」


「28…ですが…」


28…か…。
年までハンジと同じときてる。
これはいったい何の巡り合わせだ。


「俺は28でも問題ない。君はどうなんだ?」



ここまで自分に拘るとは、この男は本当にフラれて1人飲みをしていたのだろう。
おそらくは自分によく似た女にだ。

それならばお応えして差し上げねばと、久しぶりの指名にこの女は少しばかり微笑むと腕をならした。


「喜んで、お引き受け致します。では、参りましょう。」


モブリットは黙って酒代をカウンターに置き、女はマスターにチップを渡すと、フワフワのファーのついたコートを羽織って店を出ていった。


酒場を出て歩くこと数分、随分古びた宿屋の様な建物に辿り着いた。扉には「仕立て屋」と書かれたプレートがかけられている。

「こちらです。」

促され入ると、フロントには深くフードを被った女らしき者がこちらを見た。

「仕立ての注文かい……って、お前か。そちらはお客様かい?」

「えぇ、そうよ。ねぇママ、私がご指名を頂いたんだけれど、どうすればいいかしら?」


ママと呼ばれているあたり、この店を取り仕切ってるのはこの女なのであろう。

この女は何やら名簿らしき物をペラペラとめくると、すぐに指示をだした。



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