第23章 奇行種、いざ聖戦へ!
リヴァイの気持ちなど露知らず、クレアはマーサから教えられた通りに背部のマッサージを執り行っていた。肩甲骨周りや腰のあたりなど、とにかく立体機動は全身の筋肉を使うため、入念にほぐす様にマッサージを続けていった。
一方リヴァイの意識はリラックスなどとは程遠い場所にいた。
おい奇行種、跨るのは反則だろ!
これが安眠を促すだと…
ふざけるなよ…
リヴァイはこの状況をなんとかひっくり返したかったが、これはクレアが悩みに悩んで選んでくれたプレゼントだということは先程のやり取りでじゅうぶん理解していた。
だからこそ無下にできなかったのだが、リヴァイとて男だ。自身の腰回りにはクレアの尻と太腿の感触が、そしてその中央にはいつも自分とクレアが繋がる場所が触れている。隔てているものは薄い下着1枚のみだ。
この状況で、ぐっすりと眠れる男などいやしないだろう。リヴァイはクレアの心地良いマッサージの感触に身を任せながらも、下半身は悶々とさせながらなんともいえない時間を過ごした。
小一時間がすぎただろうか。
クレアはぬるくなったヤカンに少し火を入れると、今度は熱いタオルで背中のオイルを拭き取っていった。
「…兵長、どうでしたか?少しはお疲れ取れましたか?」
少し不安げに微笑みながらクレアはリヴァイが着ていた物を手渡した。
「あぁ、こんな斬新な贈り物をされたのは初めてだ。さすがはハンジ班の奇行種だな……」
そう言うとリヴァイは差し出された服を受け取るフリをしてクレアの両腕を掴むと、そのままベッドに押し倒した。
──ドサッ──
「っ?兵長?」
いきなり視界がグルッと反転し、リヴァイを見上げている?いったいどうしたのだろうか。
「クレア、お前のおかげで疲れもすっかり取れたし気分は爽快だ。……だから、礼をしないとな?」
「えぇ?!」
リヴァイはクレアに覆いかぶさりながらかすかに口角を上げた。