第23章 奇行種、いざ聖戦へ!
「熱くないですか?」
「あぁ…大丈夫だ。」
すると、クレアは洗面器のお湯を捨ててベッド脇のサイドテーブルに置くと、濡れたタオルをその中に入れた。
今度取り出したのは、湯煎で温めておいたピンクの瓶だ。
蓋をあけて傾ければトロリと温まった液体がリヴァイの背中に流れ落ちた。
「………!なんだこれは!」
「これは、血行を促進して疲労を回復する成分が入っているマッサージオイルという物だそうです。香油屋の奥さんから疲労回復のマッサージのやり方を教わってきましたので、素人ですが、私にやらせてください…」
そう言うと、オイルを広げるようにクレアの手のひらがリヴァイの背中を撫でた。
「薄給の私では兵長に喜んでもらえる物を買うことができませんでした…そのかわりになるかは分かりませんが、日頃のお疲れがとれるように、頑張りますので、これをプレゼントにさせてくださいね。」
「クレア……」
「あっ!ちなみにこれは、以前に兵長がかしてくださった馬の筋肉疲労の治療薬とは違います。トウガラシの成分も入っていませんし、どちらかというと疲労回復や安眠を促進するものですので、あのような刺激はございません。ご安心ください。」
「…そうか」
人類最強のリヴァイにとって、自分に疲労が溜まってるなどと自覚したことはあまり無い。しかしマッサージの手ほどきを受けてきただけあってか、クレアの手技はとても的を得ていて上手かった。
首から頭の付け根にかけて、首から肩にかけて、親指に力を入れて滑らすように動かす。
「……」
情けない話、このまま眠ってしまいそうになる程気持ちよかった。
これが心身共に癒やされている状態なのだろうか…
リヴァイはその心地良さに酔いしれようと軽く目を瞑った時だった。
「兵長失礼します。」
ベッドが軋む音と同時に自身の下半身に重みを感じた。
これは、これは確認をしなくともクレアであることに間違いは無いだろう。
なんだ?クレアは俺の上に跨ってるのか?
うつ伏せの状態では視覚で確認することができないため、リヴァイは目一杯に自身の神経を腰の辺りに集中させると、やはりそこに跨ってるはクレアだった。
太腿の内側の感触がなまめかしく、不覚にもリヴァイの下半身をゾクリとさせてしまった。