第23章 奇行種、いざ聖戦へ!
クレアとの関係を知ってる4人だ。
当然この後はクレアとの時間を過ごすものだと思っていた。
この様子だと、クレアはリヴァイの誕生日を知らないのだろうか?
いや、知らなかったとしても、ハンジが教えているはずだと思っていた4人はこの状況に疑問が深まるばかりだった。
元々長居などする予定は無かったのだが、リヴァイはすでにお湯を沸かし始めている。
もう退室することはできなさそうだ。
4人に紅茶を出し、自分も飲みながらリヴァイは考えた。きっと朝のクレアは、自分の誕生日について言いたい事があったに違いない。
あの様子から察するに知ったのが直前で何も用意ができなかった…というような類の話だろう。
別にリヴァイはクレアから何か物を貰いたいなどとは微塵も思っていなかった。
極端な話、何も用意できなかったとあの蒼い瞳に涙をためながら謝る可愛いクレアを抱きしめる事ができれば十分すぎるプレゼントだった。
そんな事を考えながら紅茶を飲み終えると、エルド達は飲み終えたカップを片付けて、リヴァイの部屋を後にした。
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「ねぇクレア?今日はハンジさんの仕事休みなの?」
クレアとフレイアは風呂と夕飯を済ませて自室に戻っていたが、なにやらゴソゴソと落ち着きのない様子のクレアを見て、たまらずフレイアが話しかけた。
「あ、あのね…フレイア。今日は特別に休んでいいって言われてるんだけど……」
「お休み?どこか具合でも悪いの?」
「そ、そうじゃなくて…実は今日ね、リヴァイ兵長の誕生日なんだ…」
「え?なにそれ?すっごい大事な日じゃん!!ハンジさんも休みにしてくれるなんて優しいね!プレゼントは用意したの?っていうか兵長のところに行かなくていいの?もう夜だよ?」
「そうだよね…プレゼントは用意したんだけど…今日は何時頃まで仕事してるのか、聞くタイミング逃しちゃって…どうしたものか悩んでたの…」
そう、クレアは今朝リヴァイの執務室で今夜の予定を聞こうと思ったのだが、エルヴィンがやってきたため、聞くことができなかった。
忙しく仕事をしている所に行って迷惑をかけることはしたくない。
「そっか……ところで何をあげるの?渡しに行くだけ行って忙しかったら戻ってくるとかじゃダメなの?」