第23章 奇行種、いざ聖戦へ!
──12月25日 夕刻──
リヴァイは訓練を終えて執務室に来ていた。
年内最後に行われた壁外調査では幸いなことに被害も少なく、後処理にも時間がかからなかった為、予定よりも早くに訓練を再開させることができた。
これから夕飯まで少し仕事をと思っていたリヴァイだったが、少し気になることがあった。
今朝のクレアの様子がいつもと違ったのだ。
いつも通りに見えなくもなかったが、なんとなくこちらの様子を伺って何か聞きたそうにしていた。
どうしたのかと思ったところにまさかのエルヴィンが来室し、結局聞くことはできなかった。
おまけに今日の訓練でも一緒になることはなかったため、今に至るまで分からず終いだ。
胸の奥がモヤモヤとする気持ちがして落ち着かない。
「はぁ……」
こんな自分に嫌気がさし盛大にため息をついた時だった。
──コンコン──
「!!!」
クレアだろうか?
扉をノックする音がしてリヴァイの胸は一気に高鳴った。
しかし、入室してきたのはエルドを始めとするリヴァイ班のメンバーだった。
「兵長失礼します!」
「どうした、お前ら…」
すると、ペトラが代表する様にリヴァイの机の前に立つと、後ろに隠してあった包みを差し出した。
「兵長、これは私達4人からの誕生日のプレゼントです。いつもお世話になっているので、受け取ってください。」
「そういえば…今日は…」
今日はリヴァイの誕生日だった。
自身でも忘れていたのか、プレゼントを渡されてハッとしてしまった。
ペトラから受け取り包みを開けると、中身はリヴァイの好きな銘柄の紅茶であった。
きっと行きつけの店まで行って、自分がいつも買っている物を聞いたのだろう。
「お前ら…わざわざすまなかったな。」
あまり感情を表に出さないリヴァイであったが、付き合いの長いリヴァイ班のメンバーには今の言葉で十分自分たちの想いは伝わったことが分かった。
「では失礼いたします。また明日訓練よろし…」
「待て、せっかくの紅茶だ。礼に今から俺が淹れるから飲んでいけ。」
「「「「えぇ?!」」」」
4人はまさかの展開にあいた口が塞がらなかった。