第22章 リヴァイ、悔いなき選択 奇行種、困惑
「俺が買ってやった服だ。着ている姿を見たいと思って何が悪い。」
リヴァイは戸惑うクレアに構うことなくジャケットを脱がし、シャツのボタンに手をかけるとあれよあれよという間に下着姿にさせてしまった。
「あ、あ、待って下さい!」
「何だよ、この状態で待たされたいのか?」
上半身は下着1枚。……確かにリヴァイの言う通りだ。
「やっぱり急いで下さい!!」
悪い笑みでクレアを見ると、リヴァイは襟元に白いレースがあしらわれた黒のワンピースを着せ、袋に入っていたグレーのコートと手袋を差し出した。
「寒いからちゃんと着ていけよ。」
クレアは兵服のズボンを脱ぐと立ち上がり、リヴァイに着替えた姿を見せてやる。
「靴は部屋に戻って履き替えないといけませんね…」
手を広げてその姿を見せてくれるクレアは、無邪気でとても可愛かった。
「あぁ、悪くねぇ、気をつけて行ってこいよ。」
「本当にありがとうございました!いってきます!」
リヴァイは自分の贈った服に満足をすると、クレアの額にキスをし、見送った。
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クレアは部屋に戻ったが、フレイアはすでに外出している様だった。
貰った服をクローゼットにしまい、ブーツを履き替えると、クレアは食堂で朝食を済ませてから兵舎を出た。
寒いが、天気は良く、街も賑わっている。
クレアはまず、細々と足りなくなっていた日用品の買い出しをしながらリヴァイのプレゼントになりそうな物を探した。
ハンジは物でなくてもと言っていたが、こんなにいい服をたくさん貰ってしまったのだ。誕生日で何か返したいと、クレアの気持ちはつのる一方だった。
しかし、どの店を覗いてもピンとくるもながない。
どれを見ても、リヴァイが自分自身で買えてしまうようなものばかりなのだ。
こうなると、最終的には酒か紅茶になりそうだ。
それでもいいのだが、クレアはハンジの誕生日の時に閃いたような爆発的なアイデアが欲しかった。
「1人で悩んでてもしょうがないか…」
1人では煮詰まってしまったクレアは、とりあえずなくなりかけてる香油を買いに行き、今の状況を香油屋の夫婦に相談してみることにした。