第22章 リヴァイ、悔いなき選択 奇行種、困惑
「あぁ…兵長…リヴァイ兵長…」
しかし、快楽に溺れながらうわごとの様に繰り返し自分の名前を呼ばれてしまえば、そんな我慢など無駄な抵抗だと思い知らされる。
クレアは、幾度となく浴びせられる快感に気を失わない様何度も何度もリヴァイの名を呼び、必死にしがみついていた。
「リ、リヴァイ…兵長…」
「クッ、だからそんなに煽るなって言ってるだろ…」
もう限界だと諦めたリヴァイは一気に腰を打ち付ける速度を上げると、クレアの部屋着が汚れないように吐精をした。
「はぁ…はぁ…」
壁外調査の疲れもあってか、クレアは意識を手放す寸前だったが、ここで寝てしまえばリヴァイに迷惑がかかる。
かぶりを振りながらなんとか意識を繋いだ。
ぐったりと横たわっているクレアの下着と部屋着を丁寧に整えてやると、リヴァイの口から出てきた言葉はクレアの予想とは違うものだった。
「部屋まで送るからもう休め。」
「え?兵長…私仕事を手伝おうと…」
少し気怠さの残る身体をムクリと起こす。
「手伝いはもうしてもらったから十分だ。また明日来れそうならきてくれ。」
リヴァイはクレアと生きて再会できた事を身体で感じれれば十分満足だった。
本人の希望通りに仕事の手伝いをさせても構わなかったのだが、クレアは壁外調査の疲れが出ているのか、息を上げながら顔が少し呆けている。
今日はもう休ませた方がいいだろう。
そう判断したリヴァイはクレアを部屋まで送るため一度執務室を出た。
クレアの自室の前に着けは、女子棟の廊下も扉の向こうもシンと静まり返っていた。
「今エルドはいねぇみたいだな。さすがのエルドも壁外調査後は寝ちまう派か?」
まさかの爆弾発言にクレアは先日の事件を思い出し顔を真っ赤にさせながらリヴァイの口元を制した。
「へ、兵長!誰かに聞こえてたら大変なのでやめてください!」
周りをキョロキョロと確認しながらクレアは首元からカギを取り出した。
「じゃあな、ちゃんと寝ろよ。」
「は、はい。おやすみなさい。」
リヴァイはクレアを扉に押し付けてキスをすると、最後にキンモクセイの香りを一度堪能し、また執務室へ戻っていった。
その後の仕事が面白いようにはかどったのは言うまでもなかった。