第22章 リヴァイ、悔いなき選択 奇行種、困惑
「ちょ!ちょっと待ってください!そんな事知りませんでした!!」
「だよねー!知らないと思ったから教えてあげようと思ったんだー!」
「分隊長!帰還命令が出たとはいえまだ壁外調査中です!その話は壁内に戻ってからにしましょう!」
「なんだよ、モブリット、硬いなぁ、アハハハ!」
そうだ、まだここは壁外だ。
巨人との遭遇に備えなければ……
クレアは、リヴァイの誕生日の件が非常に気になったが、なんとか冷静さを取り戻し、壁内への帰還を目指した。
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無事に壁内に帰還をすると、ハンジ達は馬の手入れをするために蹄洗場まできていた。
今回の壁外調査の被害は小規模であったため、医師からクレアの呼び出しはかからなかった。
こんなこともあるのかと少し安堵をすると、馬の脚に腫れがないか入念にチェックをしながら、隣にいるハンジに話しかけた。
「ハンジさん、兵長の誕生日って、毎年どうしてるんですか?幹部のみなさんでお祝いしたりしてるんですか?」
「んー、去年は幹部で飲みにいったかなー?あとはエルド達がプレゼントで酒をあげたりしてるみたいだよ。」
「そうなんですか……私はいったいどうしたらいいんでしょう……」
「とりあえず、幹部組での飲み会の開催は無しにするから一緒にいてあげなよ。何かプレゼントするより喜ぶんじゃないの?」
「そ、そういうもんなんですね……」
いつも暴走するハンジにしてはまともなアドバイスだと思った。欲しいと思ってる殆どのものはリヴァイ自身で買えるのだ。
そうなると、クレアができることなど、お金では買えない自身の時間を提供するくらいのものだ。
でもせっかくの誕生日。
クレアは何かリヴァイのためにしたかった。
馬の手入れと立体機動装置の点検を終わらせ、医師の手伝いを申し出てからクレアは兵舎へと戻っていった。
ひとまず明日と明後日は特別休暇だ。
この2日間で何か閃かなければ、もう間に合わないだろう。少しため息をつきながら自室の扉を開けると、フレイアが先に戻っていた。
「フレイア!無事でよかった!」
2人はお互いの無事を確認すると、早速風呂の用意を始めた。
被害は小規模とて、身体は緊張と、戦闘でクタクタだった。