第21章 奇行種、疾走、驚愕、誘導尋問
身体の中央から全身にかけてビリビリとした快感が走るが、クレアはそれに抗うように必死に口元を抑えた。
まだ早朝とはいえ、ここはリヴァイの執務室なのだ。
誰がノックをしてきてもおかしくはない。
リヴァイの立場を考えたら、当然こんな所を見られるわけにはいかないだろう。
しかし、そんなことはお構いなしに一通り弄んだかと思ったら、今度はクレアの髪の毛を結んでる革紐を解いてしまった。
「…兵長?!」
「……これからは、朝この部屋を出ていく時まで、髪を結ぶのは禁止だ。わかったな?」
そう言いながらリヴァイはクレアの長い髪を指に絡ませながら愛しむように口づけをする。
「髪の毛ですか?」
「あぁ、結んでいたら自由に触れないからな。」
唇をつけたままチラリと目を合わせられてしまえば、ノーと言えるわけが無い。クレアはコクリと頷いてみせた。
その反応に満足したのか、仕事を思い出したのかは不明だが、リヴァイはクレアを起こしてやると、軽くシャツを整えてやった。
「あ、あの、兵長も、キンモクセイの香りがお好きなんですか?」
「お前がつけてるから好きになった。」
返答に悩む様子もなくリヴァイはサラッと答えてみせる。
「………………。」
ぶっきらぼうに「悪くない」と返ってくるかと思ったのに、こんな素直な事を言われてしまうとクレアは何も言えなくなってしまった。
自分がつけているから好きになってくれたキンモクセイの香り。当然だがこの上なく嬉しい。
クレアはボソボソとお礼を言いながらシャツのボタンを閉めようとするが、今度はとんでもないものが目に入った。
「へ、兵長!!!こ、これなんですか?!!」
ボタンを閉めようとふと胸元を見ると、赤い跡が無数に付いていた。
「なんだよ、知らないのかよ?それは、キ……」
「知ってます!!!というか、昨日フレイアに教えて貰いましたから知ってます!!って、あーーーー!」
ここでクレアは昨日大浴場で大恥をかいたことを思い出してしまった。
「そういえば兵長、どうして昨日私の背中にたくさん跡を付けたこと教えてくれなかったんですか?お風呂でジロジロ見られちゃうし、フレイアには呆れられちゃうし、本当に恥ずかしかったんですよ!」