第19章 大雨と雷鳴とハンジ班の奇行種
「はぁ……はぁ……」
今まで経験した事のない快感の絶頂を2度も迎えてしまったクレアは、肩で息をしながら脱力していた。
「クレア、大丈夫か?」
「は…はい…大丈夫です…」
少しぼうっと呆けているクレアの額に一度キスをすると、枕元に丸まっていたタオルで胸元を拭いてやりリヴァイはベッドから出ていった。
「ちょっと待ってろ。」
リヴァイは簡単にシャワーを済ませると、新しいタオルと着替えを持ってクレアが横になっているベッドまで戻った。
しかし、クレアはリヴァイに背中を向けて毛布にくるまっている。
「寝ちまったか?」
軽く揺するとくるっと寝返りをしたクレアであったが、モジモジと目を合わせようとしない。
「どうした?」
「……あんな自分を見られて…恥ずかしくって…兵長の顔がまともに見られません!」
少し拗ねたように顔を隠してしまった。
「確かに、派手に乱れてたな。」
「………!」
意地悪な言い方に更に機嫌を損ねたのか毛布を頭までかぶってしまった。
「なんだよ…拗ねるなよ。俺はそんなお前が見たかったんだ。俺は満足してるが、お前は違うのか?」
──そんなお前が見たかった──
──俺は満足している──
そんな事を言われてしまったらもう返す言葉もない。リヴァイの想いを一身に受け取ったのは他の誰でもない、自分だったのだから。
ポンポンと丸まった毛布を叩きながら様子を伺うと、バツが悪そうにゴソゴソとクレアが顔を出した。
「すみません…私も兵長と一つになれて嬉しかったんです。」
その返答が聞ければ十分だった。
顔だけ出してるクレアの頬に軽くキスをすると、リヴァイは着替えを差し出してやった。
「ほら、着替えだ、身体が起こせるならシャワーに行くか?」
「あ、ありがとうございます……」
クレアはゆっくりと身体を起こすと、ビクッと顔を強張らせた。
「どうした?」
「あ……何だか、ジンジン痛いです……」
情事の最後には快感を感じていたクレアであったが、終わってみると、リヴァイと繋がった部分からは鈍痛だけが残ってしまっていた。