第19章 大雨と雷鳴とハンジ班の奇行種
「可愛いこと言って、挑発してくれるなよ…これでも必死にお前をぶっ壊さねぇように制御してるんだ。」
きつく抱きしめられた状態ではその表情を見ることはできなかったが、耳元で聞こえるリヴァイの声には少しだけ余裕がないように感じた。
想いが叶っただけでもこの上ない幸せのはずなのに、リヴァイは今、自分を欲する欲望と、自分を傷つけまいとする自制心とが入り混じって葛藤している。
こんなにも自分はリヴァイから大切に想われていたなんてと、嬉しさが込み上げてくると、クレアは自身の下半身に感じる重苦しい鈍痛など、もはやどうでもよくなってしまった。
「兵長……私、嬉しいです…どうか、もう我慢はしないで下さい…」
さらに挑発ともとれる言葉を聞かされると、我慢に我慢を重ねたリヴァイの理性は完全に機能を失った。
クソッ…もう限界だ。
「…お前の身体に傷をつけるのは今日だけだ。だから、今日だけは許してくれよ…」
少し震えていた様にも感じたがクレアの顔がコクリと頷く。リヴァイはそれを肯定と解釈すると、必死に保っていた自制心をかなぐり捨て、己の欲望のままに腰を打ちつけた。
「キャアァ…んん…あぁ…」
激しい律動に結合部からは焼けるような痛みが走り、その奥からは打ちつけられる度に鈍痛が襲ったが、もうクレアは怖くはなかった。
こんなにもリヴァイが余裕をなくして自分を求めてくれている。
それが今のクレアの全てであり、破瓜(はか)の痛みすら愛しく感じるほどの幸福感に包まれていた。
必死にリヴァイにしがみつくクレアの首元からはキンモクセイの香りがかすかに香り、リヴァイの情欲にさらなる拍車をかける。
「あぁ…はぁ…へい…ちょう…」
少しでも痛みから気がそれるようにリヴァイは深いキスをし、優しく頭を撫でてやった。
「少しずつよくなるはずだ、我慢してくれ」
「は、はい…大丈夫です…」
涙目で答えるクレアの額は汗が滲んでいた。
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「はぁん…あぁ…あぁ…」
しばらく苦痛な表情で痛みに耐えていたクレアであったが、徐々に歯を食いしばるような力が抜けて、漏れる声も段々と甘美な嬌声に変わってきたようだ。
リヴァイは額に張り付いた髪を優しく分けてやりながら問いかけた。