第19章 大雨と雷鳴とハンジ班の奇行種
驚いているクレアの様子に、まったくお構いなしのリヴァイは、更にワンピースの胸元を引っ張り腕を抜いてしまうと、あっけなく濡れたワンピースはビシャッと床に落ちてしまった。
「キャア!」
いきなりリヴァイの目の前で下着姿となってしまったクレアだが、身体を隠すものなど何もない。
うろたえるのは自然の反応だろう。
「寒いんだろ…」
しかしリヴァイは淡々と持っていたタオルでクレアの身体を拭いていった。
リヴァイはこの状況をどう感じているのだろうか…
こんなにもドキドキと戸惑っているのは自分だけなのだろうか?そう思うと、途端に子供じみた自分に悔しさがこみ上げてしまう。
一通り拭かれたと思ったら今度は横抱きに抱き上げられベッドに押し倒されてしまった。
同時に履いていたブーツも脱がされ、ポイポイと放り投げられてしまう。
「えぇ?!」
いきなり視界がグルンとまわると、リヴァイが自分を見下ろしているではないか。
リヴァイの髪からはポタポタと滴る雨水が、拭いたばかりのクレアの頬を再び濡らしてしまう。
「俺も寒い…なんとかしろ…」
寒そうな素振りなど一切見せていなかったが、今は11月。季節は冬に移り変わろうとしているのだからこの状況で寒くないわけがない。
クレアは慌ててリヴァイが持っていたタオルを手に取り、髪を拭こうとしたが、あろうことかリヴァイはクレアがタオルを手に取ったのを確認すると一旦身体を起こし、上半身に着ていたカットソーを脱いで床に投げつけてしまった。
「………!?兵長?」
暗がりの部屋とはいえ、目は大分慣れてしまっている。リヴァイは以前にもいきなり自分の前で着替えを始めた事があった為、裸を見るのは初めてではない。
しかし、初めてではないからといって何も感じない訳ではないのだ。
でもこのまま風邪を引いてしまっては大変だ。
クレアはおずおずと両腕を伸ばすと、リヴァイの髪の毛を拭いていった。
髪の毛
首元
肩
腕
胸
クレアは仰向けになった状態でも器用にリヴァイを拭き上げた。
この状態で拭けるのはあと背中くらいだ。
クレアは少し身体を起こすと、タオルをリヴァイの背中にかけ、届くところまで手を伸ばして拭いていった。