第4章 懇願
だが、普段訓練で心身共に鍛えられてる女兵士である。そんな程度の噂ではこたえるわけもなく、相変わらずリヴァイに言い寄る者は少なくなかった。
いっそエルヴィンと交際宣言でもしてやろうか…
そんな危ない発想をしてしまうくらい頭を悩ませていた。
潔癖症ゆえに身持ちが固くなってしまったリヴァイが、今1人の女で頭がいっぱいになり、下半身に熱を溜めている。
「クソッ、これはいったいどういう状況だ…」
こうなってしまってはもう何も手につかない。
リヴァイは仕事を諦めて自室に戻ることにした。
調査兵団には共同の大浴場があるが、幹部の自室には簡易ではあるがシャワー室がある。
リヴァイは大浴場もよく利用するが今日は自室でシャワーを済ませさっさと寝てしまおうと考えていた。
自室につくと、上着をかけ、脱衣場で服を脱ぐと、熱いシャワーを頭からかぶる。
寒い中、早朝から夜まで馬を走らせ動いていた。訓練とは別の疲労があったが、熱いシャワーで徐々に疲れが取れていくのを感じた。
しかし、疲労した全身の筋肉が弛緩するのに反比例するようにただ1ヶ所だけは何かを求めて硬さを増していた。
男の生理とはやっかいなものだ。
いつまでも溜めておくことができない。
仕方なくリヴァイは自身のモノを握ると、シャワーを頭からかぶったまま握った手を上下にしごきだす。
いつも、性欲が溜まればこうして自分で抜いて処理してきた。シャワー室なら後処理も楽だ。流してしまえばいい。いたっていつもとかわりはないはずだ。
そう、いつもとかわりはないはずなのだ。
だが、自慰に集中している間考えていたことはクレアのことだった。あのビスクドールのような白い肌の感触、艶のある蜂蜜色の長い髪の毛の感触。そしてあのサディスティックな表情が、ベッドの中で情欲的に変わる瞬間。
「……………………っ!」
そこまで想像したところで、絶頂に達し、握ったモノの先端からは白い白濁液が流れでていた。
誰かを妄想して自慰をしたのは初めてだった。
なんともいえない気持ちになったが、出すものを出してしまえば男とは単純なものだ。
「ずいぶんと溜まっていたせいで少しおかしくなったんだろう…」
と、もっともらしい言い訳を自身に言い聞かせ納得すると、リヴァイはベッドに入り眠りについた。