第15章 リヴァイの奇行種攻略作戦
リヴァイの威圧感に負け、エルドは恥ずかしがりながらも、重い口を開いた。
「た…確か、3回目のデートの夜だったように記憶しています…気持ちをちゃんと伝えたのは壁外調査の前日の夜でしたが。フレイアも同じ気持ちでいてくれていたので、俺達はその日から恋人同士になったことになります。」
「そうか…よくわかった。それと、あともうひとつだ。その気持ちを伝えるっていうのは、どんな言い方をすりゃいいんだ。」
「……と言いますと?」
「理解しがたいレベルの鈍感女の場合は、ストレートに言うだけで、ちゃんと伝わるものなのか?」
鈍感女…やっぱりクレアの事であろう…
3人はお互いに目を合わせ頷くと、エルドはクレアの気持ちを知っている為「俺が答えよう」と目配せで合図をした。
「例え、鈍感な相手であっても、ストレートに気持ちを伝えればまず問題ないかと思いますが……食事やデートに誘えば、その時点で少なからず意識はすると思いますし…」
「そうか……そういうものなのか…」
リヴァイは班員のアドバイスを全てメモに書き記し終えると、用は済んだとばかりに席を立った。
「お前ら、助かった。急に悪かったな。」
サラッと礼を言うと、リヴァイはメモを大事そうに胸ポケットにしまい、何事も無かったかのように休憩室を後にした。
「「「お、お疲れ様でした!」」」
リヴァイがいなくなり一瞬静まり返った休憩室。
素直でない我らの上官はやっと重い腰を上げたのであろうか。
4人は、日付が変わるまで、今後のリヴァイとクレアの進展について、話が大いに盛り上がった事は言うまでもなかった。
一方リヴァイは信頼する部下からのアドバイスを、長い廊下を歩きながら1つ1つ頭で整理していた。
まずは飯にでも誘ってみるか……
エルド達の話を聞く限り、気持ちを伝えるタイミングはその時のクレアの様子で決めるしかなさそうだ。
自分にまったく好意を向けていないのであれば、また作戦を練り直さなければならない。
またその時はアイツらに相談してみるしかなさそうだな。
まったく面倒くさい話だと心の中で呟いてはみたが、そんなのはただの天邪鬼であり、本心は少し楽しんでいる自分がいる。
リヴァイは今日はもう仕事をする気にはなれず、自室に戻り、ゆっくりクレアの事を考えることにした。