第15章 リヴァイの奇行種攻略作戦
ハンジたちに相談なんてしてしまったら最後、かっこうの笑いのネタにされるのがオチだ。
上官として少し気恥ずかしさはあるが、コイツらなら真面目に知恵を出してくれるはずだ。
リヴァイは1人ではどうしても答えの出なかった問題を、心から信頼している自分の班員に相談すれば解決できるのではないかと思ったのだ。
まさに4人の真剣な表情は、自身の判断が間違えていなかったと証明している。
「それで兵長、いったいどんなお話なんでしょうか?」
皆高鳴る心臓をおさえながら、リヴァイが語りだすのを待った。
あまりにも真剣な眼差しを向けられてしまったため、リヴァイは少し言葉に詰まってしまう。
──しばし沈黙に包まれる休憩室──
「お前らは…好きな女ができたらいったいどうするんだ?まぁ…ペトラの場合は男になるが……」
「「「「!!!」」」」
重い口を開いたリヴァイから発せられた言葉は、まったく予想外のもので、4人は時間が止まってしまったかのような衝撃を受けた。
エルド、グンタ、ペトラの3人はこの時点でリヴァイがクレアのことを聞いてるのだと確信していた。
きっと、ハンジ達には聞かれたくないが故に自分たちの所にきたのであろう。
しかもリヴァイは、この質問をするにあたり、クレアの名前を出さなかった。
きさくな上官なら名前を出して相談してくるはずだ。
この様子から察するに、素直でないリヴァイの事だ。
このまま相手の名前は詮索せずに、リヴァイの知りたがってることのみ答えてあげるのが部下としての勤めであろう。
機転のきく考えが出来たのはエルドとグンタとペトラの3人。
残りの1人、オルオは今まさに地雷を踏もうとしていた。
「え?!えー!リヴァイ兵長!それってどういうことっすか?まさかあのチビ新ぺぃ………グハァァ!」
スンデのところでペトラが張り手を打った為、オルオは例の如く舌を噛み、血を吹き出した。
この様子だと、しばらくは喋れないだろう。
「オルオは黙ってて!!」
ペトラはシレッとテーブルについた血を布巾で拭き取ると、辛辣に言い放った。
エルドとグンタは「よくやった」と、ペトラにアイコンタクトで伝えると、ペトラもグッと親指を立てて応えた。